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逃げられない


 フェリス王女の罠に嵌った事に気がついた俺はすぐに距離を取ろうとする。


「動かないで。」


フェリス王女に止められる。


「動くと撃つわよ。」


フェリス王女に脅されるがこのままの格好で良いわけはない。


「私が浅はかでした。

 助けて下さい。」


いろいろなパターンを考えたがどれも詰んでいた。

なので素直に助けを求める。


「うーん、揶揄ったのは悪かったわ。

 でもまさか反撃してくるとは‥

 このままキスしても、しなくても問題は解決しないわね。」


まさかの打つ手なしだ。


ずっとフェリス王女を顎クイした状況を続けていると周囲の人達が騒つきだす。


っていつの間にか結構な人だかりが出来ていた。


もうかなりヤバい状況だ。


俺は困り果てて冷や汗がふきだす。


そんな俺を見てフェリス王女が小さな声で呟く。


「まぁ、これも運命ですかね。」


フェリス王女はクスッと笑うと俺の唇に自分の唇を重ねるのであった。

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