接近
テリトリスをやりたいと言いだすフェリス王女。
「いや、無理です。」
即答するとフェリス王女が笑顔で合図をおくる。
パシッ
また狙撃音と共に前髪が落とされる。
「ちょっ、マジでやめて下さい。
これ以上前髪無くなったらパッツンパッツンになるじゃないですか!!」
問答無用で前髪を落としてくるフェリス王女に抗議する。
「ふふ
前髪なんていらないしょ?」
フェリス王女の細く白い手が俺の髪を触ってくる。
あ〜、悔しいかな良い匂いがする。
ちょっとドキドキしてしまう自分が憎らしい。
しかもフェリス王女は俺がドキドキしていることを察している。
なのにそれを止めようとしない。
髪を触っていた手が俺の顔に移動する。
頬を触ってくる。
鎮まれ!
俺の心臓!!
頼むから!!
さらにフェリス王女に顎クイをされる。
心臓が爆破しそうだ。
フェリス王女の唇が俺の唇の数センチ先に迫る。
もう接触してるんじゃない?
と思うほど接近している。
フェリス王女の吐息が唇に感じる。
思わず生唾を飲み込む。
「目を開けて。」
ドキドキを抑える為、あえて目をつぶっていたが開けるように言われてしまう。
恐る恐る目を開けると当然だがフェリス王女の視線が目に入る。
いや、近いって。
「このままキスしたらどうなると思う?」
俺を試すかのような目を見て急に冷静になるのであった。