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後始末23
メラメラと燃えるような瞳をしている、フェリス王女の目が怖く感じた。
俺は顎クイッ状態で動けずにいた。
そして状況が動く。
フェリス王女が俺に顔を近づける。
一瞬キスされるかと思ったが、違っていた。
フェリス王女は俺の顔に近づくと耳打ちしてくる。
「動かないで下さいね。
貴方が下手に動くと、攻撃されますので‥
それでは、状況を説明しますね。
正直、我々は困惑しております。
貴方は我が国を救った英雄ですが、王城を壊した者でもあります。
国民の命と王城では、圧倒的に命のが重いのですが‥
臣下の中には納得出来ない者もおりまして‥
何かもうひと推しあると助かるのですが‥」
自分の置かれている状況を聞いて思わず生唾を飲み込む。
「使徒では足りませんか?」
ここで使徒だと認める。
「お認めになりますか?」
真剣な声色で聞いてくる。
「はい。」
ここで認めないわけにはいかないので即答する。
「ありがとうございます。」
フェリス王女がお礼を言うと俺から離れるのであった。




