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後始末14
葵さんからお城を壊した事を暴露されて狼狽する俺。
俺達を囲んでいる兵士さん達も殺気がともる。
緊張感が高まるなか、王様が口を開く。
「皆殺気を抑えんか。
この方はモンスターの脅威から我々を救ってくれた恩人だぞ。
そのように睨むでない。」
王様が俺たちに助け舟をだしてくれる。
ありがとう、王様!
「でも、お城を壊しましたわよ。」
高まる機運をだだ下げるお姫様。
せっかく萎んだ兵士さん達の殺気がまた復活する。
ちょっと何言ってくれてんの、このお姫様は‥
「まぁ、恩人なのは確かですけど‥」
お姫様は俺の目を見てクスッと笑う。
コ、コイツ‥俺の事からかってやがる!
「とにかく、まずは怪我人を助けるのが先だ。
城内が終わり次第、街に向かうぞ。」
王様が指示を出すと、兵さん達がこの場を離れだす。
た、助かったのか?
安堵していると王様が姫様に話し掛ける。
「この2人は逃さぬよう掴まえていてくれ。
くれぐれも粗相のないように‥。」
王様はあえて俺達に聞こえるように姫様に耳打ちする。
「わかっております。」
王様の言葉に返事する姫様の目が怪しく光ったように感じた。