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後始末8
メイドのフェリスさんが俺の腕の中で天国の両親に祈りだす。
ちょっと妄想癖のあるヤバそうな人だけど、ご両親を早くに亡く辛い人生をおくってきたのであろう。
よく見たら手は水仕事でボロボロに‥‥じゃない。
手はとても家事ををしているような感じではない。
うん。
きっとスキンケアのレベルが高い国なんだ。きっとそうなんだ!
俺が心の中でフォローしているとフェリスさんが目を開け語りだす。
「夢の中でお父様とお母様に会ってきました。
私達の事を祝福して下さるようです。
早く孫の顔を見たいって‥
もう気が早いのだから。」
頬に手を当ててクネクネしている。
やっべぇぞ、コイツ。
とにかく誰かに引き渡そう。
当初はバスに連れて行くつもりであったが、回れ右をして他の人間を探すのであった。