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敵
目の前のNo.9さんが荷電粒子砲を拡散出来ると言い切っている。
もちろん冗談を言える状況でないので真面目な話だろう。
正直、いまいち信用に欠けるが疑っている余裕はない。
ここは拡散荷電粒子砲に賭けるしかない!
そこで俺はある事に気がつく。
「いくら拡散出来ると言っても後方は無理だよね?
一度撃ってから後方にもう一度撃つの?」
大事な事なので気になった事はすぐに尋ねる。
「それはムリですね。
荷電粒子砲は連発出来ませんよ。
それに仮に撃てたとして、相手も馬鹿ではありません。
回頭している間に逃げる事も考えられます。」
No.9さんが冷静に状況を口にする。
「くっ、でも半分でも減らせれば御の字か‥
10万の敵を半分にしたらモンスターも逃げるとか?」
楽観的な憶測を口にする。
「逃げる?
それはあり得ません。
あのモンスター達は何者かに操られています。
なので例え死ぬと分かっていても向かってくるでしょう‥」
この状況でしれっと大事な情報を口にするNo.9さんに驚愕するのであった。




