怪我
ナビゲーションと言い合いを続けているとそれを止める血だらけのNo.9さん。
「どうしたのその怪我?
何があったの?」
俺の言葉に目を見開いて怒りだす。
「何があったの?
それはこっちのセリフですよ!
楽しんでいたらいきなり揺れだして‥
その後は地獄でしたよ!
壁やら座席やらにぶつかったりして‥
斗馬さん!
貴方は安全運転するのがウリじゃなかったのですか?
こんなに揺らすとは‥
峠でも責めました?
ドリフトですか?
走り屋になりました?」
No.9さんが止まらない。
「葵は頭を打ってダウンしてますよ。
どうなってるんですか?」
No.9さんが止まらないが今はそれどころでは無い。
俺はすぐに画面を調べる。
バスが落下したことで王都に近づいていたモンスターは粗方吹き飛んたようだ。
ついでに城壁も吹き飛ばしたけどね。
とりあえずモンスターが近くには居ないので安堵したが、気を抜く時ではない。
すぐにマップを確認して大量に残るモンスターを確認する。
王都を囲むように四方八方からモンスターが向かってきている。
ルンルンバで対処できる数ではない。
後は荷電粒子砲が頼りだが一つ問題がある。
荷電粒子砲は直線でしか攻撃が出来ない。
連発すれば良いが王都は城壁がない無防備状態だ。
連発している時に王都内に攻め込まれる可能性も出でくる。
脳内でシミュレートするがどれも期待出来そうにない。
しかもモンスターはどんどん接近してくるので考える時間もないのであった。




