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諦め
投石によって穴の空いた城壁から雪崩れ込んでくるモンスター達。
騎士や冒険者達が必死に応戦しているが、弱いゴブリンとはいえ数が多すぎる。
王である私が参戦した事で一時的に士気は高まったが、徐々にゴブリン達に押され始める。しかもこのタイミングでオーク等の他のモンスターまで混ざり始めた。
「もう無理だ‥」
兵士の1人がポツリと呟く。
上司であろう者は呟いた兵士を責めなかった。無理なのはわかっているので‥
「押し返すぞ!」
無理は承知で皆を鼓舞する為に大声を出す。
しかし同じように声を出す者は現れなかった。
ドカァン!
このタイミングでさらに他の場所の城壁が投石によって壊されるのであった。