異世界でバスの運転手やってます。

カタパルト

　ナビゲーションの説明だと葵さんとNo.9さんが心配であったが、シートベルトが外れない事から確認に行けなかった。

まぁ、アレでも天使だからきっと大丈夫なはず‥

今はグレイン王国に集中しようと頭を切り替える。

「カタパルトを出します。」

ナビゲーションが耳慣れないキーワードを口にする。

カタパルト？？？

「カタパルトって飛行機を飛ばすヤツだよね？

　まさかバスを打ち出すつもり？」

まさかとは思うが念の為ナビゲーションに確認する。

「‥‥‥。

　カタパルトOK！」

あっ、また無視した。

「バスをカタパルトに設置します。」

もう止められないから腹をくくるしかないようだ。

その間にもバスは何かの力によってカタパルトに運ばれていく。

まるでジェットコースターが動くような感じで‥

カタカタ振動を感じるのが恐怖を加速させる。

「設置OK！」

バスの揺れが止まる。

「角度調整！」

地面に平行であったバスの角度がほぼ真上を向く。

コワ！

マジで打ち出すつもりだ。

「シャッター準備！」

ナビゲーションの声がすると窓ガラスがシャッターに覆われる。

「シャッターOK！

　最終シーケンスに突入します。」

「グレイン王国の為、グレイン王国の為、グレイン王国の為‥」

恐怖に負けそうだったので自分の目的を何度も口にするのであった。