手段
突然知らされるグレイン王国の王都ヴェルダッドの危機。
たったの3時間でヴェルダッドに行き着くのは不可能だ。
つんだ‥
俺が絶望感に苛まれているとナビゲーションが発言を始める。
「3時間以内に辿り着く手段がありますが、行使しますか?」
「え?
手段あるの??
し、します!
行使します!」
突然の申し出に慌てるが熟考する時間はない。
手段があるのならどんな手を使っても‥
「ちなみにどんな手段ですか?」
今になって行使したことが怖くなったので一応確認してみる。
「‥‥‥」
無視かよ!
「すでに賽は投げられました。
キャンセルは不可能です。」
キャンセル不可能なの?
何それ?
コワ!
「発射シーケンスを開始します。
皆様、シートベルトをお締め下さい。
斗馬様は大丈夫ですね。
奥様方は別空間なので安心して下さい。
チッ!
あの2人は‥‥。
シーケンスを進めます。」
今舌打ちしたよね?
ナビゲーションが‥
あの2人はまだ酒盛りしてるはずだけど大丈夫かなぁ。
ちょっと様子を見に‥
げっ、シートベルトが外れない。
「ごめんなさい。
ちょっと2人の様子を見に行きたいんだけど。
シートベルトが外れなくて‥」
「大変申し訳ございません。
既に離席出来ないシーケンスに突入しています。
あの2人は‥‥‥きっと大丈夫です。」
「きっとかよ!」
思わずツッコミを入れるがやはり心配だ。
「だから大丈夫ですって。
たぶん‥」
ナビゲーションが曖昧な返事をするので2人が心配になるのであった。




