本来の目的
ミーに散々舐められると満足したのか自分から離れてくれた。
ここで気になるのがイスカさんだ。
サバルさんの次に現れると思っていたがミーに先を越されたらしい。
少し離れた場所で哀しそうな顔でコチラを覗いていた。
う゛
可哀想な子に見えてしまう。
俺は無言で手を広げるとイスカさんを受け入れるとアピールする。
イスカさんも俺の意図に気が付いたのか沈んだ顔を笑顔にして飛び込んでくる。
アリアもサバルさんもミーも今回は邪魔をする事なく見届けてくれるようだ。
喜び飛び込んでくるイスカさんを抱きしめる。
先程の戦いではかなり傷を負っていたが今はその全てが綺麗に治っていた。
イスカさんを抱きしめると少し消毒の匂いがしたがここは医務室なので気にならない。
あ〜皆んなの無事を確認できて良かった。
俺は安堵するのであった。
‥‥‥‥
ん?
何かを忘れているような‥‥‥
あっ、本来の目的を忘れていた。
俺たちはグレイン王国の王都ヴェルダッドを目指していたのだ。
急ブレーキをかけてバスが壊れたり、葵さんが消えたり、No.9さんが現れたり、軽自動車に乗ったり、ゴブリンに襲われたりしたから忘れてたよ。
俺はアリア達にゆっくりお風呂に入って休むように伝えると、運転席に向かうのであった。