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不満
突然告げられる新機能。
期待したらまさかの自動運転‥。
マジいらねぇ。
不満げな俺の顔を見て葵さんがフォローにはしる。
「何が不満なんですか?
自動運転ですよ!
夢の機能じゃないですか!!」
葵さんがプンスカ怒りだす。
「何が不満?
全てですよ!
そもそも自動運転とか使いませんから!
手動が一番ですよ!」
俺もここは折れることなく反論する。
「あ〜嫌だ嫌だ。
これだから古い人間は‥。
新しい技術を受け入れようとしない。
それだから時代に取り残されるんですよ!!」
葵さんがさらに反論してくる。
「あっ、時代とか言ったね!
何でも社会とか時代とかのせいにするのは良くないよね?
関係ないよね?」
ここは譲れないのでさらに反論する。
白熱する俺と葵さんのやり取りを冷たい目で見るNo.9さん。
「別に全ての運転を自動にしなくてもいいじゃん。
例えばトイレに行く時とか、私と何をする時とか、場合によっては使い分ければいいのよ。」
ここにきてNo.9さんがど正論をかます。
俺と葵さんはぐうの音も出なかったのである。