上位モデル
ゴブリン達もいなくなり汚れた土地も綺麗になったので一息ついていると、一つ気になる事が出てきた。
「そういえば、ルンルンバってどうしたの?」
「え?
ルンルンバですか?
もちろん回収してますよ。
それがどうしました?
あれ?
もしかして気に入りました?
いやぁ、いくら斗馬さんの頼みでもルンルンバはあげませんよ。」
葵さんが真顔で断ってくる。
「いや、いらんし。」
体調にお断りしておく。
「それより、ルンルンバって葵さんが洗ったの?
かなり血肉が飛び散って汚れてたよね?」
気になっていた事を尋ねてみる。
「え?私が洗う?
何で??
いやぁ、あんな汚いの洗いませんよ。
もちろん自動洗浄機能を使いましたよ。
ほら、バスにも付いている機能と同じです。」
葵さんからは想像通りの回答をいただく。
「それだけの機能があるなら周りも綺麗に出来るんじゃないの?
それがどうしても腑に落ちない。」
俺の疑問をぶつけてみる。
すると葵さんが困った顔になる。
ビンゴだ!
「もしかして周りを綺麗にする機能あったの?」
思わず声が大きくなる。
「‥‥‥‥あのグレードのルンルンバにはありません。
上位モデルだと付いてます。
でも、上位モデルは少しお高いので‥。」
葵さんを責めるつもりはないが、今後買い物をする時は安いだけで選ばないようにしようと心に誓うのであった。




