ケチる
No.9さんの車に全員が乗り込んだので出発するのだが‥。
スピードおそ!
まさかの安全運転だ。
いや、地球であれば安全運転なのが当たり前だがココは異世界だ。
そもそも法定速度は定められていないのだ。
無茶な速度を出せとは言わないが、さすがに50キロは出して欲しい。
バスで飛ばしていた時は外の景色を見る余裕はなかったが、40キロぐらいのスピードだと景色を堪能する事が出来る。
そんな感じでゆっくりしたスピードで進んでいると何かの違和感に気づく。
最初は気のせいかと思ったが、やはり何かがおかしい。
注意してみると異音に気がつく。
嫌な予感がするのでNo.9さんに声をかけて車を止めてみる。
とりあえず俺だけ車から降りて確認することにする。
何となく異音理由に見当がつくのでそこを見てみると‥。
右後輪がパンクしていた。
う〜ん、やはり舗装されていない道を軽自動車で進むのは厳しいか‥。
4WD車じゃないことが悔やまれ。
仕方がないのでスペアタイヤに替えることにする。
「すいません。
後輪がパンクしたみたいなので交換します。
スペアタイヤはトランクですか?」
No.9さんに尋ねてみる。
するとNo.9さんが目を逸らす。
ん?
何その反応。
「え?
まさかスペアタイヤ積んでない?」
思わず驚いてしまう。
「え?
スペアタイヤって勝手についてくると思ったけど‥。」
「それが‥
スペアタイヤを外したら安くなるってディーラーさんに言われたから‥。」
モジモジしながら困った顔をするNo.9さんに呆れるのであった。