キツキツ
ドヤ顔で立ち尽くすNo.9さん。
いや、どうだって言われても‥。
俺の目の前にはパステルカラーの軽自動車が置かれている。
う〜ん
俺が読んだ異世界物だと、こういう場合は四駆とかじゃないの?
ハマーとかで爆走するんじゃないの?
俺が茫然としているとNo.9さんが動き出す。
軽自動車のドアを開けると運転席に、乗り込む。
え?
運転、俺じゃないの?
「No.9さんが運転するの?」
驚いたのでNo.9さんに尋ねる。
「もちろん。
私の愛車ですよ!
私以外、誰が運転するんですか!
あと、保険対象が私だけなので他の人には運転させられません。」
驚きの理由である。
「保険に入ってるの?」
「はぁ?
本気で言ってます?
車を運転する人が保険に入らないとか、あり得なくないですか?
え?
斗馬さん、大丈夫ですか?」
若干バカにされてカチンとくるが、ここは我慢する。
時間がもったいないのでそのまま助手席に乗り込む。
「あっ、ストップ!
靴脱いで下さい!
この車、土禁です。
あっ、靴は足元の靴入れに置いてください。」
まさか異世界で土足禁止を聞くことになるとは‥。
俺は驚きながらも靴を脱いで助手席に座る。
さて、問題なのがこの後だ。
後部座席にアリア、サバルさん、イスカさん、ミーの4人が乗る必要がある。
ミーは体格が小さいとはいえ、キツキツである。
それでも4人は身体を寄せ集めて、何とか後部座席に乗り込むのであった。