葵さんのフォロー
姿のない声だけの存在なので、あえて口を閉ざしていた葵さんが自ら口を開いた。
「私はこの馬車の管理を行っております、葵と言うものです。姿はお見せ出来ませんが斗馬様の従者と考えてもらえればと思います。」
おっ、さすが葵さん!
姿を隠していることにしている。
「さて、本題に入ります。斗馬様を貴族にとお考えのようで大変喜ばしい事なのですが、実は斗馬様には女神様から与えられた使命があります。」
ん?使命??
初耳なのですが‥。
そもそも女神様の存在を公にして大丈夫のの?
突然女神様の名前を出されて、ルナ様とソフィアさんは目を見開いて驚いていた。
この様子だと女神様の事は信じているようだ。
ナイス、葵さん!!
この流れで貴族の話をぶっ潰そう!!
「使命の詳細は説明出来ませんが、簡単に言うと世界を周ってその国や街の状況を女神様に報告するのが仕事になります。」
『どうですか、斗馬さん!ちゃんとフォローしましたよ!私って有能ですよね?後で褒めて下さいね。』 葵、心の声
ルナ様とソフィアさんは二人で小さな声で相談を始めた。
さすがにこの状況で結婚を迫ったりしないだろう。
あとは皆さんを送り届ければ、自由だ。
めでたしめでたし‥‥となると思ってました。