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勇者
経験豊富なイスカさんとサバルさんが難しいと言うだけあって、「はい受けます!」なんて安易に言う奴は現れなかった。
冒険者ギルド内に沈黙がながれる。
「はい受けます!」
受ける人が現れたよ!
冒険者ギルド内に現れた勇者に全員の視線が集まる。
俺もその勇者を確認する。
No.9さんであった‥。
お前かよ!!
「ちょっ、どう言う事ですか!
イスカさん達の話を聞いてましたか?
距離が離れているから行く事だけでも難しいのに‥。
しかも例え辿り着いても、王都には10万のモンスターですよ!
絶対に死ぬよ!」
興奮して声が大きくなってしまう。
「斗馬よ。
そなたは勇者である。
世界の危機を救わなければならない。」
No.9さんが手を広げて得意げに話す。
「いや、勇者じゃないし‥。
ただの運転手ですから!」
断固として勇者を否定する。
しかし周りの人間に勇者だと認識されてしまう。
「勇者様!」「勇者様!」「勇者様!」
「勇者様!」「勇者様!」「勇者様!」
突然始まる勇者コール。
どうしてくれるだ?と俺はNo.9さんを睨みつけるのであった。