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俺のターン
「話がまとまったようですが、質問しても宜しいですか?」
抱き合って喜んでいた二人が、俺の言葉で一斉にこちらを向く。
何故か、ルナ様は何でも聞いてください!って自信満々な顔をしていた。
とにかく質問を開始する。
「ルナ様のような王族の方が、私のような平民と結婚出来るのでしょうか?」
「旦那様に嘘は言いたくありませんので正直に言えば、今のままでは無理ですね。」
だ、旦那様よび??
まだ結婚していないのに気が早くない?
それよりこの人、今無理って言ったよね?
やっぱり平民とは無理だよね。
危ない危ない、何も知らないのに短剣のせいで結婚させられるところだったよ。
俺は心の中で拳を突き上げて喜んでいた。
「でも大丈夫です。今回の盗賊を件で貴族になってもらいますので。」
ルナ様がニッコリ微笑む。
おいおい、貴族って。
そんなの成りたくないよ。
俺の夢は、バスでこの世界を周ることだ。
貴族になったら絶対に出来なくなる。
何としても貴族になるのだけは阻止しないと‥。
俺が悩んでいると、ずっと無言だった葵さんが口を開くのであった。