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破滅4
「どのぐらいの猶予がある?」
フエルテ王が静かな声で尋ねる。
「え?」
先程の報告を行った兵士は不思議そうな顔をする。
「え?ではない!
大型モンスターがここに辿り着くには、あとどのぐらいの猶予がある?」
フエルテ王が声を荒げる。
「はっ!
大型モンスターは足が遅いようなので、早くても2日はかかるとの事です!」
飛び込んできた兵士は姿勢をただして力強く報告する。
報告を聞いた臣下達がザワザワと騒ぎ出すが、大抵は2日しかない事を憂いていた。
「2日‥。
騎士団は間に合わぬな‥。」
フエルテ王が騎士団に頼るのを諦める。
「至急、隣国に救援を要請を頼んでくれ。
働きによっては我が国の領土を渡すと伝えて構わん!」
フエルテ王の決断は早かった。
戦争でもないのに領土を渡す事はあり得ない処置であったが、自国が未曾有の危機である以上出し惜しむつもりはないようだ。
斗馬のいるローラ王国とは隣国とはいえ、かなりの距離がある。
指示を出したフエルテ王でさえ、救援が2日で王都まで辿り着けるとは思っていなかった。