破滅3
「最悪だ‥。
籠城しようにも食料が足りず‥。
騎士団も各地に赴いてて足りず‥。
ここまで不測の事態が重なると何かしらの力が働いている事は明白だな。
そうなると他にも何か起こるであろうな‥。」
フエルテ王が悟ったかのように呟くと臣下達は全員が同じことを考えていた。
「「「変なフラグ立てるなよ!!」」」
そして聞こえ出す足音。
扉が乱暴に開けられる。
ノックもせずに王がいる部屋に入るのは罰則ものの行いだが、緊急時の今はその事を注意する者はいなかった。
「緊急事態です!」
部屋に飛び込んできた兵士が叫ぶ。
もう既に緊急事態だがな!と臣下の数名が心の中で突っ込んでいた。
「魔術による観測で大型のモンスターが近づいている事がわかりました!
詳細な数は不明ですが、50は超えるとの事です!」
兵士による報告にその場の全員が息をのんでいた。
王都を取り囲んでいるモンスターの大半がゴブリンやオークなどの低レベルな個体なので城壁を破る可能性はきわめて低かった。
しかし、大型のモンスターが加わるとその可能性は大きく跳ね上がる。
もちろんモンスターの種類にもよるが楽観視出来る状況ではなかった。
ただ、最悪な状況であったがワイバーンなどの大型飛行タイプのモンスターがいなかったのは幸運であった。
ちなみにワイバーンが激減していたのは斗馬の荷電粒子方のおかげだ。