破滅1
グレイン王国の王都ヴェルダッドに大量のモンスターが押し寄せていた。
「何がどうなっている!」
早朝に叩き起こされた王は不機嫌そうに声で臣下に問うた。
「モンスターが押し寄せています!
その数、推定で10万以上!」
あまりのモンスターの数に全員が唾を飲み込んでいた。
「10万以上??
ありえない、何かの間違いではないのか?」
フエルテ王が現実を受け入れる事が出来ずにいた。
「間違いではありません。
既に王都を囲んでおります。」
問われた臣下は事実を伝える。
「き、騎士団はどうなっている?
何故、囲まれる前に打ってでない?」
モンスターに囲まれた事が不満だったのか怒りの矛坂を騎士団に向けた。
「お忘れですか?
第一、第五騎士団は先月ユニトで発生したスタンピードの対応に出ています。
第二、第三、第四もそれぞれリガロ、オスクロ、ラスで発生したスタンピード対応に出ております。」
騎士団が許可なく出兵出来るわけもなく、指示を出したのが王自身であったのに‥。
さすがの臣下達も呆れていた。
「では、城内に残っておるのは?」
当たり前のことを尋ねる王であったが、それほどまでに焦っていた。
「第六、第七だけであります‥。
さすがにこの数では打って出られません。」
臣下が険しい顔で伝える。
外のモンスターの数と騎士団の人数を考えると、その場の全員が絶望していた。
しかし、悪い流れはまだ止まらないのであった。