駆け引き
ルナ様の勢いに終始押され気味でいると、無言だったソフィアさんが口を開く。
「ルナ様、それは狡くないですか?私は駄目で自分だけは良いとは‥。」
えっ?仕えている人に対して狡いはまずくない?
思わずソフィアさんを心配してしまう。
「ここには私達しかいないから、普通に喋って良いわよ。」
特に咎めることもなく、逆にもっと砕けていいと言い出すルナ様。
「わかりました‥‥。ルナ、ズルい。お願いだから、私も結婚したい!」
ソフィアさんが頭を深々と下げてお願いする。
「うーん、どうしようかなぁ‥。ソフィアには学生時代からいろいろ助けてもらってるからなぁ‥。」
ルナ様が目を閉じて考えはじめる。
俺は何を見せられてるのかなぁ‥。
そもそも俺の意見を聞かないよね?
これが異世界なのか!!
俺も考え事をしていると、ルナ様の目が開く。
「わかったわ。貴女も結婚しなさい。ただし、本妻は私よ。これだけは譲れない。」
ルナ様が真剣な表情でソフィアさんを見る。
「ほんと?別に本妻とか贅沢は言わない。二番目でも妾でもいいから‥。」
「では、これから二人でトウマ様を支えましょう!」
最後は二人で抱き合って喜んでいた。
だから、俺の意見は?