217/628
商機
イスカのお父さんはお風呂のことを大層気に入ってくれた。
バスを褒めてくれた事もあったので嬉しくていろいろな事を話していた。
「お風呂は健康に良いのですよ。」
イスカのお父さんの目が一瞬光った。
「温泉と呼ばれるものがあって、それはさらに身体に良いのです。」
イスカのお父さんが考え込んだ。
「具体的にどんな物なんだ?」
イスカのお父さんが真剣な表情で尋ねてくる。
「実はこのお湯も温泉でして、女神様がどこかの温泉から源泉を持ってきてるとか‥。
で、温泉ですが‥
地面から湧き出た温かいお湯ですね。
透明でなかったり、食べ物が腐ったような臭いがしたり、温度が高かったりといろいろあります。
あと、地面を深く掘ると稀に湧き出てきます。
水魔法の得意な人はもしかしたら感知出来るかもですね。」
俺は機嫌も良かったのでいろいろと話してしまった。
のちにイスカさんの宿屋が全世界に広がっていく足掛かりになるとは露ほどもおもっていなかった。