呪い
「私の正体に気づくとは‥
鑑定魔法かな?
まぁ、どうでも良いけど‥
で、どうする?
あの男に突き出すのか?」
追い詰められているが、せめて虚勢は張らせてもらおうか‥。
とりあえず正体は知らせると思ったが、2人は首を振った。
ん?
どういうことだ?
見逃してくれるのか??
「斗馬さんに知らせるつもりはありません。
せっかく楽しく運転してますので嫌な気持ちにはしたくないので‥。」
葵はまるで母親のような表情だった。
「ワレも同じじゃ。」
アリアもトウマに知らせるつもりはないようだ。
ふふ
つくづく甘い奴らだな。
だったら体制を整えたら思い知らせてやる。
私は密かに復讐を誓った。
このまま終わるかと思われたが、世の中そんなに甘くはなかった。
『2人とも甘い。
甘すぎる!!
こいつは、いつか斗馬に仇なす存在になり得る。
だから私からのプレゼント♡
外からは見えないアクセサリーだよ。
下手に外そうとか考えないでね。」
突然脳内に響く女の声。
葵とアリアにも聴こえているようで2人とも驚いた顔をしていた。
それより私の心臓がオカシイ。
何かが心臓の周りをグルグル回っている感覚がある。
そう、まるで蛇のような存在だ。
まさか!?
この気持ちの悪さが一生続くのか??
これではまるで呪いではないのか?
私は声の主の事など忘れて絶望するのであった。