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退屈
「なぁ〜父上〜。
暇。」
私は足をぶらぶらさせながら、この国の王である父に話しかける。
「暇と言われてもな‥。
勉強でもしたらどうだ?」
邪険にせずに相手をしてくれる父が好きだった。
「勉強なら全て終わてる。」
そう、全てだ。
「まさか学園を3ヶ月で卒業するとは‥。
我が娘とはいえ末恐ろしいな。」
父上が私の気にしている事を口にしてしまう。
「貴女怖いのよ。」
「子供らしくない。」
「可愛げがない。」
学園では色々な悪口を言われてきた‥。
勉強を頑張れば頑張る程、皆が離れていく。
退屈で死にそうな私に転機が訪れる。
たまたま他国の大臣の娘と知り合った。
まるで双子と思えるほど似ていた。
親が間違えるほど‥。
そういえば最近、洗脳魔法を覚えたのだ。
この娘に私の記憶を刷り込んで‥。
後は私だと認識させれば完成だ。
最後に私自身に自己催眠を施せば完璧だ。
さぁ、他国に行って未知と出会おう!!
「はぁっ!」
まさか、自己催眠が解けるとは‥。
手に持ってる食べ物は何?
コレを食べたせいで自己催眠が解けたの!?
とにかく慌てずに状況確認から始める事にするのであった。