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君の名は


『名前に間違いがあります。』


親子が弾き出されると機械による無機質な声が響いてくる。


この声は葵さんではないようだ。


声の内容に親子が顔を青くしている。


「「何でバレたの!?」」


正直、エリザベートやアントワネットって顔ではないよね?

もちろん一瞬だけ信じようとはしたけどね。


俺は微妙な空気に苦笑する。


「すいません。

 嘘の名前だと乗れませんので‥。

 申し訳ないのですが、本名を教えてもらって良いですか?」


顔は笑顔だが、目に少しだけ圧を込める。


また偽名を使って弾き出されるやり取りをしたくなかったからである。


親子がまた少し離れた場所に移動して内緒話を始める。


「ママ、どうする?」


「本名を知られなくないけど、あの中には金目の物がありそうだし‥。」


また泥棒が使うような物騒な言葉を使いだす。


2人の結論が出たようだ。


親子が重い足取りでバスの方までやってくる。


「すいません、焦ってあだ名を伝えてたみたいで‥。」


苦しい言い訳だ。

何があだ名だよ!

エリザベートやアントワネットってあだ名がつくとは思えない。そんなの付けられたら逆にイジメだと思うよ。


「私の名前はキキです。」


母親が照れながら答える。


「私の名前はララです。」


娘も照れながら答える。


いや、イメージ違うから!

キキとララに謝って!!


口には出さないが心の中で全力で突っ込むのであった。

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