表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
166/628

本名は名乗らない


名前を尋ねられて固まる親子。

お母さんの方は汗がダバダバで始める。


ここまで露骨に反応があると疑わない方がおかしと思う。


親子は少し離れたところで相談を始める。


「お母さん、どうする?」

「まだ手配はされてないと思うけど‥。」

「やっぱり本名はまずくない?」

「だよね!

 嘘で良くない?

 何かトロそうな男だし、大丈夫よ。」


おい!

聞こえてるぞ、その相談。

誰がトロそうだ!!


俺に聞こえているとは知らずにニコニコ顔で戻ってくる親子。


「母親のエリザベートです!」


「娘のアントワネットです!」


腰に手を当ててドヤ顔で名乗ってくる。


「ダウト!」


思わず素でツッコんでしまった。


「ダウトとは?」


親子が不思議そうにしている。


いかんいかん、ダウトが通じる訳ないよね。


「私の田舎での褒め言葉です!」


とりあえず誤魔化しておく。


「名乗ったので助けて下さい!」


あっ、まだ続けるんだ。

いいけど気が乗らないなぁ‥。


ダメ元で乗車許可を与えてみる。


親子にはバスに乗るように伝える。


2人は拳を握りしめる。


だから隠してやってよ!

あからさま過ぎる。


母親が満面の笑みでバスに乗ろうとするがブザー音と共に弾き出されてしまうのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ