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不本意


サムさんが引き取ってくれない以上、ミーは俺が面倒みるしかないと覚悟を決める。


ここが異世界でなければサムさんに頼らなくても引き取って良かったが、異世界に来てから見に起こる様々なトラブルにミーを巻き込みたくないという思いのが強かった。


「ミーは俺が引き取るよ。

 葵さんも良いよね?」


パートーナーである葵さんに同意を求める。


「もちろん良いですよ。

 私は斗馬さんに仕えているのですから、モンクなど言いません。

 しかもミーさんはお若いですからね。

 斗馬さんがロリコンに走る事もないでしょうから。」


最後の方に悪意は感じたが、概ね認めてくれたようで安堵する。


ここで話を終わらせようとするがサムさんが真剣な表情で口を開く。


「トウマ様、宜しいでしょうか?

 ミーさんを引き取るのは問題ないのですが、今後の事を考えるとミーさんと奴隷契約を結ぶ事をお勧めします。」


サムさんの話を聞いて、意味がわからなかった。


「え?

 今奴隷を解除したのにまた奴隷にしろと?」


思わず言葉に怒気がこもる。


サムさんは俺の怒りを受け流すと言葉を続ける。


「ハッキリ言わせて頂くと、トウマ様はこの世界についてまだ勉強が足りません。

 ミーさんをずっとこのバスに閉じ込めておくつもりですか?

 それは出来ないですよね?

 奴隷契約は相手を守る事にも使えるのです。

 貴方がミー様と契約すると、他の人に渡る事はないでしょう。

 葵様がいれば別ですが‥。」


最後は冗談を言って場を和ませるサムさん。


さすが百戦錬磨の商人だと後で感心させられた。


サムさんの話は頭から水をかけられたかのように衝撃的だった。


綺麗事だけでは人は守れないと認識させられる。


自分の短慮に目眩がし、少しフラつく。


その時、アリアがそっと手を握ってくれる。


アリアは何も言わないが、手から伝わる暖かさに癒されるのであった。

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