差別
ミーは奴隷から解放されて安心したのか死んだように眠ってしまった。
眠りにつく前にコチラが引くぐらいお礼を言ってきた。その時の怯えた表情からも精神的に正常でないと判断出来た。
ミーが眠った後にすぐにその事で話し合う事になる。
奴隷でなくなったのですぐにでもご両親に返してあげたかったが、サムさんの話だとそう簡単ではないらしい。
ミー達ウサギの獣人達はかなり貧しい暮らしをしているようで、毎年子供を奴隷商に売っているらしい。
我が子を売る程厳しい生活とはずっと地球で温ぬく育った俺には到底理解出来ない話であった。
しかしアリア達は特に嫌悪をもたないらしい。
これも文化の差なのか‥。
そうなるとミーを育ての親に返すのは厳しいようだ。
そこが納得出来ないのでサムさんに聞くと、一度売ってしまった子とはギスギスしてしまうようで長続きしないとの事。
正直、ため息のでる話ばかりで嫌になる。
だったらサムさんのところで雇ってもらえないか尋ねるが申し訳なさそうな顔で断られてしまう。
商会では獣人を雇っていないらしい。
獣人は力もあるようだから雇っていそうだが、お客様の中に獣人を嫌う人がいるらしくて‥。
はぁ‥。
ここでは差別かぁ‥。
なろう系の小説では何度も聞いた事があったが、実際に目の前で起こると自分の心が騒つくのがわかった。