表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
159/628

乗車拒否


子供を助ける為にバスを近くに停める。


バス前方の扉を開けてから外には出ないようにして子供に話しかける。


「1人で大丈夫?

 何かあったの?」


役者ではないので何となくわざとらしい演技になってしまった。


しかし子供はそんな事は分からないので迫真の演技で助けを叫んでくる。


「すみません!

 迷子になってしまって、助けて下さい!!」


かなり大きな声で叫んでくる。


ちょっと大き過ぎると思っていると今度は小声で何かを言ってくる。


「すみません。

 近くに盗賊がいます。

 私の事は良いので逃げて下さい。

 早く!!」


小声だが、それよりかなり苦しそうだ。


後でアリアに聞いたら盗賊に奴隷にされていて、命令に逆らったので呪いのようなもので苦しめられていたようだ。


俺はバスから顔を出して子供にハッキリと伝える。


「全て知ってるから大丈夫。

 俺を信じてこっちにおいで!」


俺は子供の目を真っ直ぐに見て、力強く言い聞かせた。


子供は迷っていたが俺は手を伸ばしてこっちに来るように促す。


子供はヨタヨタとバスの方に近づいてくるが、それを見ていた盗賊が森の中かは飛び出してきた。


子供が目の前に来たのですぐに名前を尋ねる。


「ミーです。」


子供がハッキリとした口調で名前を教えてくれる。


ヨシ、これで大丈夫。


俺はすぐにミーへの乗車許可を与えて、咄嗟に抱きしめてバスの中に引き入れる。


すぐそこまで盗賊が近づいていた。


「ヒャッハー!

 騙されたな!!」


「バカめ!」


「もう逃げられないぞ!」


「殺す!」


盗賊達が笑いながら走ってくる。


子供は必死に俺を逃そうと押しのけようとする。


「心配いらないよ。」


必死な子供を力強く抱きしめて耳元で呟く。


盗賊の1人が武器を持ってバスに飛び込もうとしてそれは起きた。


バシッ!

と音と共に盗賊がバスから吹き飛ばされる。


そこで躊躇すればいいのに他の盗賊も同じ様にバスに飛び込み吹き飛ばされてしまう。


4人の盗賊は吹き飛ばされて地面に転がっていた。


かなりのダメージがあるのか中々起き上がれないでいたが、そこに窓を開けてアリアが呪文を唱える。


「本当は切り刻んでやりたいが、我が夫は殺生を好まん。

 夫に感謝しろよ!

 眠れ!!」


呪文を唱え終えると盗賊達はその場に眠ってしまうのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ