挨拶
「葵さん、2人に乗車許可を出して。」
斗馬が慣れた口調で葵さんにお願いする。
「了解です!」
葵さんも斗馬とバスに乗れて機嫌が良く声が弾んでいた。
目の前の光景にイスカとサバルは目を見開いて驚く。
葵と呼ばれる娘に天使の輪と羽があるからだ。
口をパクついて驚く2人に葵さんが説明を始める。
「斗馬様は女神様の夫であり、地上では使徒して活躍しています。
ちなみに私も妻であり、斗馬様を補佐する天使です。
バス以外では姿を消していますが、常に斗馬様の側にいますので‥。
今後とも宜しくお願いします。」
妻として余裕なのか、葵さんは落ち着いた口調で話をする。
「ちなみにお二人のやろうとしている事は全てお見通しですので‥。
斗馬様に危害を加えないのでしたら見逃してあげます。」
ウインクをしながら2人に妻として釘をさしておく事は忘れなかった。
しかし葵さんの忠告は二人の耳には届いていなかった。
「使徒様?
え?私もしかして勝ち組!?」
イスカは今すぐにでも斗馬を押し倒したくなるのを我慢していた。
「使徒様?
イスカについてきて正解でした。
ふふふふ。
私にチャンスが巡ってきました!!」
サバルの目が燃えていた。