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駆け引き4
突然のアリアの発言に誰も何も言えないでいたが、いきなり知らない人物が入ってきていたので女性の騎士達がザワついた。
もちろんすぐにアリアの事を説明して納得してもらった。
「まさかハイエルフが加わるとは‥。
戦力の増加は喜ばしいが‥。
序列をどうするか‥。」
第二王女のサラだけは難しい顔をして何かをつぶやいている。
サラが自分の世界にこもってしまったのでルナ付きのメイドのセイラが話を続ける。
「アリア様、先ほどの話ですが理由を伺っても宜しいですか?」
セイラはアリアの助言をあまり良しとは思っていないようだ。
「理由?
ヌシ達があまりに旦那様を苛めるから助けてやろうと思ってな。」
アリアが斗馬の顔をチラッと一瞬みてセイラの目をじっと見つめる。
今のアリアの旦那様というセリフと所々で斗馬と視線を合わせる行為に余裕を感じて女性陣の心はざわめいていた。
王女、騎士、メイドという立場であるが斗馬と肌を重ねた仲だ。
突然出てきた女性に旦那様呼ばわりされて何も思わないはずはない。
特に恋愛に疎い人間にはかなりの薬になったようだった。