助けますか?
怪我人の為に王女自ら頭を下げている。
「斗馬さん、どうしますか‥。助けますか?それとも見捨てますか?」
「ここで見捨てるって選択肢はないよ。葵さん、力を貸してくれないかな?」
「‥‥‥仕方がないですね。ここで見捨てるような人を女神様が好きになる訳ありませんね‥わかりました、あの人達を助けましょう。」
「ありがとう、葵さん。」
「全員をバスに乗せて下さい。盗賊達は縛ってからバスの側面にある荷物室に入れといて下さい。」
「了解。」
葵さんと段取りを決め、斗馬が王女様をバスに乗せる為、外に出る。
斗馬がバスから降りると1人の騎士が近づいてくる。
「先程は剣を向けて、申し訳なかった。」
騎士は謝りながら兜を脱ぐ。
えっ、女性?
騎士=男性と思い込んでいたので、兜を脱いだ瞬間、口を開けて驚いてしまった。
「フフ、驚かせてしまったみたいだね。」
女性の騎士が微笑む。
ヤバい!かなり綺麗な人だ。
真っ直ぐ顔を見れない。
「わ、私はこの乗り物で旅をしているトウマと言うものです。怪我人の治療をしますので全員、この乗り物にお乗り下さい。あと盗賊達も別の場所に運ぶので手伝って下さい。」
緊張して少し噛んでしまった。