どなたですか?
目が覚めると医務室の天井が目に入る。
咄嗟に自分の置かれている状況を思い出す。
「あっ、アリアはどうなった?」
身体を起こして室内を確認する。
「斗馬さん、急に起き上がったら危ないですよ。」
ナース服を着た知らない美少女に注意される。
「ほら、横になって下さい。」
美少女にベッドに戻される。
「アリアは?」
シーツを掛けられながら質問する。
「もう他の人の心配ばかりして‥。
そんなところが可愛い。」
美少女がクネクネして悶えている。
「アリアさんは無事に移植も成功して隣の部屋で寝ています。
一晩寝たら元気になりますから、今は自分の心配をして下さい。」
美少女に眠るように急かされる。
「眠れませんか?
仕方がないですね。
では、チューしてあげますから寝て下さいね。」
ん?
この娘は何を言ってるの?
冗談かと思ったらまさかの口にキスをしてくる。
えっ?
この流れはほっぺじゃないの??
キスの間、美少女と目が合う。
「私のファーストキスですよ。」
美少女に至近距離から告白される。
「もう、何か感想はないのですか?」
美少女がプンスカしている。
感想と言われても‥。
俺は真っ先に思いついた事を口にする。
「どなたですか?」
美少女から笑顔が消える。