告白
「調子にのってました!
まことにすいませんでした。」
アリアを治療カプセルに入れ精密検査を行った後、葵さんが突然謝罪してくる。
「別に謝らなくていいけど、その言い方だとアリアの治療は無理ってこと?」
事実を確認したいのでストレートに聞いてみる。
「不可能はないと言いましたが、まさかあそこまで酷いとは‥。
アリアさんが何で動けているのか不思議なぐらいです。」
葵さんが申し訳なさそうに報告してくる。
「治療は絶対に無理なの?」
やはり諦めきれないので食い下がる。
「‥‥‥。
一つだけ方法がありますが‥‥。」
葵さんがかなり言いにくそうにしている。
「葵さんを責めたりしないから教えて。」
出来る出来ないは別にしてその方法が知りたかった。
「移植です。
斗馬さんの臓器を移植するんです。
斗馬さんにアリアさんの臓器を移植すると斗馬さんが死にそうになります。
斗馬さんには女神様の加護があるので何らかの力が働いて治そうとすると思います。」
葵さんが苦しそうに話をすすめる。
「絶対ではないので賭けに近いです。」
葵さんの声は低い。
「私は女神様に斗馬さんを守るように命令されています。
その私が斗馬さんの命を脅かすような事を言う意味がわかりますか?」
確かに葵さんが命令に逆らってまで教えてくれるのは何でなんだろう。
俺は答えがわからなかった。
「わからないようですね。
まぁ、そういう所も好きなんですけどね‥。
私が命令に逆らってまで教えたのは‥貴方のことが好きだからです。」
???
俺は葵さんの突然の告白に言葉を失った。