シルフ
突然現れた空中に浮いてる女性。耳が尖っていて大きな翼が生えている。
明らかに人間ではない。
ヒラヒラとした透けた衣装を着ていてるのでスレンダーな体型なのがわかる。
アリアやソフィアさんが身構えない事から敵ではなさそうだ。
まぁ、慈愛に満ちた笑顔の美女が敵なわけないけどね。
とにかく相手の出方を待つことにする。
「おめでとうございます!」
女性が突然叫び出す。
口を動かしていないのに声が聞こえてくる。後で葵さんに聞いたがテレパシーのようなものだった。
「あの‥。
何のことでしょうか?」
お祝いされる身に覚えがないので質問する。
「何をって結婚ですよ!
今、二人で誓いの言葉を言いましたよね?
気にかけていたアリアが結婚するとは‥。
我が子のように嬉しいです!」
女性は感激したのか少し涙ぐんでいる。
俺が困惑しているとアリアが話に参加してくる。
「シルフ様、お久しぶりです。
過去に一度だけお会いした事がありましたが、まさか覚えていて頂けるとは‥。」
アリアが深々と頭を下げている。
ん?
今、シルフって言ったよね?
たしかシルフってゲームとかに出てくる四大精霊の一人だったはず。
たしか風だったかな。
すげー、四大精霊だよ!
まさかそんな有名人に会えるなんて!!
俺はシルフが出現した理由の事は忘れて喜んでいた。