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魔法陣


 伊集院斗馬はバスの運転手である。小さい頃にみた絵本の影響でバスの運転手に憧れて、そのまま就職までしてしまった。


 斗馬が運転するバスがとある高校の前に止まる。ちなみに、ここは地方なので乗車口は真ん中にある。


 扉が開くと高校生達が乗り込んでくる。時間帯がピーク時でなかった為、並んでいた全員が乗り込むことが出来た。


 全員が乗り込んだのを確認したので、斗馬が扉を閉めようとするとバスに走ってくる男女が見えた。距離があるため出発時間には間に合いそうにない。


 時間を遵守する普段の斗馬であれば扉閉めて出発していたが、たまたま見た今朝の占いで「困っている人がいたら助けてあげよう!」と言っていたのを思い出して、彼らが到着するのを待ってあげた。


 この事が斗馬とバスに乗っていた人達の運命を大きく変えることになる‥。


 その後、男女がバスに駆け込んできたので扉を閉め、バスを出発させる。


 最近のバスはコンピュータの自動読みが支流だが、斗馬が運転するバスは運転手が行う。


「このバスは〇〇駅行きバスでごさいます。終点の〇〇停留所まで、途中〇〇、〇〇、〇〇へ停車致します。また車内では携帯電話での通話はお控え下さい。」


 よし!噛まずに言えた。時々噛む事がある斗馬は噛まずに言えたことが、先程の男女を待ってあげた事で占いの効果があったのだと感じ、神様に感謝するのであった。


 バスを走らせていると、急にバスが停止してしまう。スピードは出ていなかったが信号でもないのに急に止まったことで、乗っていた高校生達からは抗議の声があがる。


 斗馬は焦っていた。ブレーキを踏んだわけでもないのにバスが急停止してしまった。しかもアクセルを踏んでも反応しない。過去にいろいろと故障はあったがこんなことは初めてだ。斗馬がバスを走らせようと悪戦苦闘していると、車内の高校生から悲鳴があがる。


 斗馬が振り返ると生徒達の足元に漫画などで見た事がある魔法陣のような物が浮かび上がる。魔法陣からはバチバチとスパークが発生している。


 何かの爆発物を疑い、生徒を避難させようと扉を開こうとするが、開かない。そうこうしている間に魔法陣が点滅を始める。


 斗馬が「逃げろ!」と叫ぼうとするが、まるで目の前でフラッシュをたかれたような光を目に受けてしまう。


 斗馬達が魔法陣によってどこかに消えた瞬間、この世界から斗馬達の存在が消去される。存在が消えたことで、高校からは生徒が減り、バス会社は乗務員とバス一台が減り、各家庭からは家族が一人減っていた。

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