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9 いつもと同じような日

「ちょっと美穂!!いつまで寝てるの!?早く起きなさい!!学校遅れるわよ!!」

階下から、母さんの声が聞こえる。


夢………なの?

もういやだ。

昨日から、変な事ばかり起こる。


階段を下りると、いつもの光景がそこにはあった。

「ねえ母さん、私、昨日の夜うなされてなかった?」


「何変な事言ってるのよ、ほら、遅れそうなんだから早く食べなさい」


「はーい」

何気ない風を装って答えたものの、私はいつも通りの声を出せただろうか。


いつものように登校して、いつものように授業を受ける。

いつもと違うのは、美穂がいない事だ。


携帯に電話しても、「その番号は現在使われておりません」という、アナウンスが響くばかりだ。

先生に、何故美穂が休んでいるのか聞いてみたら、そんな人いたかしら、と言われた。

クラスメイトに聞いてみても、そんな子いたっけ?と言われた。


あはは、おかしい。

みんな、私を騙そうと、必死になっちゃって。


放課後になった。

今日も私は、日直だった。

日直の仕事を全て終えて時計を見ると、4時30分を過ぎてしまっていた。


いけない、早くいかないと。

部長にまた嫌味を言われてしまう。


部室に行って、部のみんなに美穂の事を聞かないと。

さすがに部員にまで手回しする事は出来ない筈だ。


私の足は、知らず知らずの内に、駆け足になっていた。


部室のドアを開く。

中には誰もいなかった。


「そん…………な。」


どれくらい経ったのだろう。呆然としていた私の肩を、生活指導の大竹が叩いた。

「何をしとるか!!部活に早くいけ!!帰宅部なら早く帰れ!!」


「先生、昨日、ここで先生に会いましたよね、私。」


「突然何を言い出すんだ!!くだらん事を言っとらんで、とっとと行け!!」


どこに行けというんだろう。

私の部室はここなのに。


「……先生、【ホラーサークル】って知ってますか?部活として認められないから、仕方なく同好会として活動している。」


「そんなものは知らん!!」


「そんな!!この部屋で、私たちは活動していたんです!!」


「何を言っとる。この部屋は、5年前からずっと空き部屋だ!!」


「……………うそ、よ。」


「いいか、早く帰るんだぞ。」

付き合いきれん、といった様子で、大竹は行ってしまった。



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