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短編

【短編】国王陛下は王子のフリを見て我がフリを反省した

作者: 宇水涼麻

 国王陛下は目の前の二人を見て、大きくため息をついた。抱き合い支え合う様はこの国の最高権力者の前でなければ、誰もが羨む仲睦まじさなのかもしれない。


『本当にバカにしか見えない。父上もこんな気持ちだったのか。申し訳ないことをしたものだ。後でワインでも贈ろう』


 そう思った後、さらに後ろの者たちに目を向けた。


『自分たちの家をどう思っているのだろうな。ワシの時の者は……誰も残っておらんな……。奴らの弟たちが優秀で本当によかった』


 肘置きに置いていた手を額に当てて、どこからどうしたものかと思案していた。


〰️ 〰️ 


 国王は幼い頃から婚約者がおり、結果的にその者とうまくいかず、他の者と結婚した。なので、自分の息子の幼い頃には婚約者を設けなかった。


 それが幸いなのかなんなのか、サハジリアス王子と同年代の高位貴族たちは自分の娘を王子に見合うようにと、見目だけでなく教養や所作にも磨きをかけ優秀な淑女たちが揃った。


 そんな優秀な淑女たちをいつまでも放置しておくのは国の損失になるということで、急遽王子の婚約者を決めることになった。

 サハジリアス王子もすでに13歳であった。厳しい家庭教師たちによって、なかなか優秀に成長したと親である国王は思っていたし、まわりからの目もそう言っていた。13歳はこの国ではすでに子供といえる年齢ではないし問題なかろうと考えられ、国王はサハジリアス王子に婚約者を決めることに納得した。


 お茶会という名のお見合いでは国王の提案で時間を決めて公平に会話をし、王子の意見を尊重してご令嬢を選出していき、人数を絞っていく方法にした。三十人から十五人。十五人から八人。八人から三人。会を開くたびに選抜していった。


 最終選考に残った三人のご令嬢には一月もの間王宮に留まり、サハジリアス王子との逢瀬の場を設け王妃教育を受けてもらった。


 一月後、サハジリアス王子はナミューリンダ侯爵令嬢を選んだ。選ばれなかった二人は大変優秀であるとお墨付きを付けて国王が宣言した。そのおかげで釣書が殺到し、すぐに婚約者が決まった。そうなると八人に残っていた五人にも釣書が殺到した。

 こうして、ナミューリンダが嫉妬による虐めを受けないような地盤もできた。


 『サハジリアス王子がナミューリンダ侯爵令嬢を選んだ』のだ。


〰️ 


 15歳のデビュタントパーティーでのサハジリアスとナミューリンダのファーストダンスは、皆の目を釘付けにするほど美しいものであったし、何より見つめ合って楽しそうに踊る様は未来の王国に夢を託すには十分な効果があったといえる。

 ナミューリンダはサハジリアスより二つ下であるが堂々としたダンスであった。


 国王はそのパーティーでの壇上から最終選考に残っていたご令嬢二人も楽しそうに婚約者と踊っているのを見て、そっと安堵のため息をついていた。


 その翌年、サハジリアスたちは貴族学園に入学した。

 その年の成績は近年稀に見る優秀さで教師たちを驚かせた。サハジリアスは3位であったが、かのご令嬢たちとの差は僅差で次は負けぬと張り切っていたと聞き、サハジリアスが卑屈になっていないことに国王は安心した。


 サハジリアスたちは2年生になり生徒会運営も任された。国王は不安があったが、何事もなく秋を迎え冬になり、もうすぐ最終学年だと心から喜んでいた。その時にはナミューリンダも入学する。二人で学園生活を楽しんでほしいと心から願った。


 

〰️ 〰️



 はずが、なぜか目の前には、うっとりとした溶けそうな目で頭の軽そうな女の肩を抱いているサハジリアスがいた。


『まさかワシより短期間で籠絡されておるとはな。ワシでさえ出会いは2年生の春であったというに』


 サハジリアスと傍らのマジェンヌという名の女との出会いは3年生の春だ。


『こうなると、去年の冬からこの秋までの天災でさえもこの女が呼んだもののように思えてしまうな』


 サハジリアスが2年生の冬になるまでサハジリアスの行動を見ていた国王であった。しかし、その冬から寒波による被害、雪解けには水害、かと思えば夏には日照り、秋には害虫被害と立て続けに天災が起こり、国王はサハジリアスにかまけている暇がなかった。

 王城に国王不在が多くなっていた中、王妃は代行として取り仕切り大変忙しく、こちらもサハジリアスのことを気にする余裕がなかった。


『まさか奴らまで落ちておるとは、な……』


 サハジリアスにつけた二人の近衛兵はいの一番に籠絡され、国王への報告が遅延や偽装(本人たちに偽装のつもりはない)されており、対応が大変遅れた。


 その結果がこれだとばかりに目の前に置かれているわけだ。



〰️ 〰️



 先日、その二人の近衛兵の聞き取りをした。近衛兵であるので当然二人共高位貴族令息である。次男三男ではあるが20年勤め上げれば領地付きの男爵位は与えられる。

 ちなみに一般兵は王立騎士団にのみ入団できる。


 曰く、国王陛下に言われていたような悪女をサハジリアス殿下へ近づかせてはいない。


 曰く、マジェンヌ嬢は聡明で天真爛漫であり、王妃に相応しい人物である。


 曰く、ナミューリンダ嬢は真面目なばかりで面白味がなくサハジリアス殿下が不憫である。


 曰く、男爵位など受取らず、王妃となるマジェンヌ嬢を生涯守り抜く。


 側で聞いていた二人の近衛兵の家族たちは、怒ったり涙を流したりと大変であった。本来、国王の前で晒していい醜態ではないが、この聞き取りを行う前に国王がそういう状況になっても赦すと許可を出していた。

 二人の近衛兵はそれぞれの母親に泣かれていることにキョトンとしていた。


 近衛騎士団の団長が二人の前に立った。


「お前たち。入団前に誓いを立てたな。その剣は誰に捧げたのだ?」


 二人の顔はサッと青くなった。


『我々、近衛騎士団は国王陛下に忠誠を誓い、国王陛下にこの心と剣を捧げます』


 1年間の入団前見習い研修にて毎日朝礼にて宣誓合唱していたことを、二人は思い出した。入団すると各隊の行動となりそれぞれ忙しいのでなかなか朝礼は開かれず、宣誓合唱も忘れていたのかと団長は悲しくなった。


「国王陛下がナミューリンダ嬢を次期王妃にとお考えになっているから、殿下の婚約者なのだ。それに異論を唱えたな?

国王陛下への反逆の意思である」


 団長の静かな声に、近衛兵たちは膝を落とした。


「男爵令嬢でしかないマジェンヌという小娘を守り抜くと、国王陛下の前で宣ったのだな?

国王陛下以外へ剣を捧げることは近衛兵では許されていない」


 近衛兵たちは肘を床に突き頭を抱えた。彼らの母親、そして、婚約者だったご令嬢たちの泣き声だけが響いていた。


 国王は後を団長に任せ謁見室を出た。


〰️ 〰️ 


 卒業式の一週間前である今日、五人の生徒を謁見室へと呼んだ。

 

 国王陛下の前であるにも関わらず最敬礼もせずに抱き合っている二人。それを諌めもしない側近候補と言われた高位貴族令息三人。


「父上、お願いがあってまいりました」


 サハジリアスは発言することも許されていなければ挨拶もしない。

 王宮(自宅)ではなく王城(仕事場)にも関わらず、陛下ではなく父上呼び。

 国王からの呼び出しなのに自分から謁見を望んだかの言いよう。


 どこから注意をしていいのかもわからず、国王は返事をしあぐねた。


「殿下。陛下の御前です。お慎みください」


 サハジリアスは宰相の注意さえも耳を傾けず睨むばかり。後ろの三人までも宰相を睨んでいた。その内の一人は宰相の長男だ。


『宰相は、おそらく自分の兄を思い出していることだろうな。ワシも自分の恥を見ているようでツライところだ』


 国王はまともな会話を諦めた。


「願いとはなんだ?」


 サハジリアスたちは宰相の苦言がなしになったとニヤニヤした。国王に呆れられてマナーについては見捨てられたとは考えていない。

 宰相は訝しんで国王へ視線を送る。国王は眉を上げて返事をし、宰相は目を伏せて頷く返事をした。


「この者をオレ、いや、私の妻にしたいのです。真実の愛を見つけたのです! お認めください!」


「マジェンヌ・ダバトです!」


 小首を傾げたあざとい挨拶に、宰相が後ろを向いて舌打ちをした。


『普段はポーカーフェイスの上手い男であるのにのぉ。それをここまでイライラさせるとは、ある意味すごいかもしれぬな。

そういえば、前妃も物怖じせぬ言いようであったなぁ。傍から見れば失礼としか思えぬものなのだなぁ』


 国王は呑気に考えていた。すでにサハジリアスに対して考えを巡らすつもりもなくなっていた。


「そうか。ダバト男爵のご令嬢か。で、その者は何ができるのだ?」


 国王は大変優しい口調であった。まるで幼子に質問するかのようだった。


「はいっ! 明るく元気な娘なので、私まで元気にしてくれます!」


 そして、返ってきた返答もまた考えが幼く、国王はため息を我慢した。


「それから?」


「やかましいことは言わず、私を癒やしてくれます!」 


「それから?」


 国王は我慢強く聞き返していく。


「料理も上手く、クッキーなどは絶品です!」


 サハジリアスとマジェンヌは笑顔で見つめ合った。

 国王は首をガクリと下げた。


「そうか……すべて、お前のことばかりだな……」


 国王の嘆きは抱き合っている二人にも後ろで何も考えていないような顔をしている三人にも聞こえなかった。


「「はい??」」


 二人は双子のように揃って小首を傾げた。可愛らしいと見せようとしているのかもしれない。『バカ者』を見ていると思っている国王と宰相にしてみれば、バカを強調させているだけだ。

 

「だから、国に何ができるのだ?」


「そ、そんなもの必要ありませんっ! マジィは、私の側で笑ってくれればいいのです」


 宰相がパカンと口を開けた。


「ン、ンン」


 国王が宰相に注意すると、宰相は小さく会釈して謝辞をあらわした。


「その者は、社交術に長けておるのか?」


「そ、そうです! マジィは心優しいので、マジィを慕う者は数多く、いつも友人たちに囲まれております!」


 サハジリアスの力強い言葉に、マジェンヌは胸に縋ってうっとりとした。その顔を見て、サハジリアスもデレッとした。


「ん? そうなのか? ワシが聞いたところでは、男どもに囲まれておるそうだが?」


「それは、友人たちです!」


「ほぉ、では、淑女たちとの社交は誰がするのだ? 王妃のお茶会はどうするのだ?」


「そ、それは……。そんなものをしなくとも、国は運営できます!」


「……………………。サハジリアスよ、世の中、半分は女性であるぞ」


「何を当たり前なっ!」


「お前がそれを蔑ろにすると宣言したのではないか。貴族の半分を敵に回して、国の運営ができるのか?」


 マジェンヌが女子生徒から嫌われており友人など一人もいないことは、サハジリアスたちは知っている。それこそがマジェンヌを可哀想だと思った要因のひとつなのだから。

 マジェンヌが王妃になったら誰もお茶会に参加しないだろうというのは容易く想像できた。


「ふぅ。では、他国から来賓が来たらどうするのだ? 我が国は5か国と隣接しておるぞ」


 国王はため息を吐いた後、肘掛けに肘を突き手で顎を支えた。とても面倒臭くなったように見える。


「私が交渉しますので、問題ありません!」


「接待もお前だけでやるのか? 公務もお前だけで行くのか? お前が他国へ行っている間に、隣国の王家が来たらどうするのだ?」


「っ!!」


 サハジリアスは眉を寄せて俯いた。


「ナミューリンダ嬢は共通語と母国語以外に5か国語を喋り、3か国語は読み書きも完璧だ」


「ナミは王妃教育を受けたからっ!」


「お前との見合い茶会の前から3か国語は完璧であったぞ。お前より年下であるのにな。

そもそも、お前は5か国語は話せるのか?」


「……で、でも」


 言い訳は尽きたようだ。


 最終選考に残った三人はみな、3か国語は完璧であった。その頃、サハジリアスはまだ一番の大国である国の言葉だけであった。今でも語学は苦手で3か国語が喋れる程度で読み書きは8割ほどだ。


「なら、災害対策などができるのか?」


「え?」


 サハジリアスは初耳のように聞いた。国王は眉を寄せた。先日までの災害について、王子として何も進言してこないと思ったら何も考えていないようだ。


「その者の知識の前に、お前でさえ考えていないのか? サハジリアスよ」


「だ、だって……」


「ナミューリンダ嬢は令嬢たちや令息たちと協力して家にあるタオルや毛布を集め、騎士団に託していたぞ」


「そ、そんなこと……知りませんでした!」


「お前たちに声をかけたら、うるさいと言われたと言っておった。どうせいつもそうやって扱っていて覚えもないのだろうけどなぁ」


 これには、サハジリアスだけでなく後ろの三人もたじろいだ。確かに学園の入口付近でドタバタとしていた時期があったのは覚えていた。


『母上もワシの婚約者であった優秀な侯爵令嬢を可愛がっておった。それをワシがぶち壊したのだ。嫌な思いをなさったであろう。

母上の好きな高級はちみつを取り寄せよう』


 国王は思いを馳せ、前の二人に手で下がれと合図した。


「もうよい、二人は後ろにさがれ。三人は前へ」


 サハジリアスとマジェンヌが後ろに下がった。サハジリアスはマジェンヌの肩を抱いていなかった。マジェンヌがサハジリアスの袖を引いていたが、サハジリアスはそれにも気が付かないほど呆けていた。


 宰相公爵家子息、王立騎士団団長侯爵家子息、金融大臣侯爵家子息が前に出た。三人ともビクビクしている。


「お前たちはサハジリアスとあの娘の行動を認めており、サハジリアスがあの娘との婚姻を希望し、あの娘が王妃になるかもしれなかったことを容認し、応援しておったな?」


 三人はすでにマジェンヌが王妃には向かないことは理解させられていた。それでも、国王の前で嘘をつくことはできず震えながら頷いた。


 国王が顎で指示すると、文官がそれぞれに紙を配った。それを見た三人は真っ白な顔になった。


「読んだか? その日付と場所に覚えはあるか?」


 三人は嘘はつけないが返事もできず、尻もちをついたり膝から落ちたりした。


「わかっているようだな。それは、お前たちが不貞を行ったことをワシが確認できている分だ。

お前たちは、王妃になるかもしれなかった者と不貞を働き、性行為に及んだ。万が一、あの者が妊娠でもしていたら、お前たちは未来の王の実父にでもなるつもりであったのだな」


 国王の断定する言葉に三人は慄いた。


「ち、ちがっ!」「ありません!」「うわぁ!!」


 三人はもちろんそこまでの覚悟などない。取り乱したり泣き出したり暴れそうになった。すかさず、近衛兵が一人一人に付き押さえ込んだ。

 国王は後ろで真っ白になっているサハジリアスは無視した。マジェンヌは国王の話など聞いていないので、一生懸命にサハジリアスに声をかけていた。


「性行為をしておいて否定されても、信憑性はないな。王家乗っ取りの策を巡らすとは、王家も随分と舐められたもんだな」


 衝立の影から騎士団長侯爵閣下と金融大臣侯爵閣下が出てきて、宰相とともに三人の前に立ち国王へと向き合った。そして、90度以上に頭を下げた。


「我ら三家はこの者たちを廃嫡し除籍の上北の兵役で生涯奉公させることを決めました。また、王家への忠誠の証として、金貨1000枚を上納いたします。

此度の愚息たちの過ち、大変申し訳ございませんでした」


 宰相が代表して口上を述べた。金貨1000枚はいくら公爵家侯爵家といえど、10年の税金に相当する。家財をすべて売り払わなければ足りる金額ではない。侯爵家はさらに苦しく、領地の一部を王家に返還することで賄うことにした。


「相わかった。お前たちの忠誠はそれを完遂した後に受け取ることにしよう」


「はっ!ありがたきお言葉に存じます!」


 三人の閣下は後ろを振り向き、近衛兵に命じた。


「外に北の辺境伯閣下の馬車が止まっている。放り込んできてくれ」


「「「はっ!」」」


 子息三人を押さえていた近衛兵が引きずるように連れて行き、部屋から出ていった。

 近衛兵たちが馬車に三人を投げ込み馬車の閂に施錠までしたことは、サハジリアスは知らない。陛下と閣下たちはもちろんわかっている。


 マジェンヌは話は聞いていなかったが、三人が涙でグズグズの顔で引き摺られて行ったのを目にして、漸くマズイことになっていると気がついたようだ。


「二人は前に」


 サハジリアスは項垂れたままフラフラと前に進んだ。縋るわけにはいかないと思ったマジェンヌだが頼れる者はサハジリアスしかいないので、サハジリアスの裾を掴んで、後ろに隠れるようにしていた。


「サハジリアスよ。お前の母がなにゆえに儚くなったのかを、話しておけばよかったのかもしれぬな」


〰️ 〰️ 〰️



 国王がまだ18歳の王太子であった頃、国王も学園で身分の低い天真爛漫な男爵令嬢と恋に落ちた。



 王太子(現国王)は自分の不義を充分に理解しており、まずは婚約者であった侯爵令嬢に土下座をして賠償金もたくさん払って、婚約を白紙にしてもらった。そして、父たる国王(前国王)にも土下座をして、散々反対されたが、王太子の覚悟をわかってもらい男爵令嬢と婚約となった。

 それから、男爵令嬢にとって地獄のような王妃教育が始まった。優秀な教師陣であるはずなのに王妃教育は遅々として進まず、王太子もストレスを感じていた。


 そんな時、国王の配下の者が近衛騎士団長の子息と男爵令嬢が王宮の庭園で口づけをしているところを見つけた。国王は王太子に知られる前にその子息を排除した。息子である王太子に二度も婚約破棄をさせるわけにはいかないとの処置だった。


〰️ 


 男爵令嬢の王妃教育は全く進まず、かといって後継を作らないわけにはいかないので、とりあえず婚姻をしその後教育を続けることになった。


 王太子の結婚パーティーであるためたくさんの人が招待され、隣国からも来賓が来た。隣国からの来賓はもちろんこの国の言葉は話せる。しかし、こちらから話しかける挨拶くらいは相手の国の言葉ですることが、暗黙のマナーであった。王太子妃となった元男爵令嬢はそんな挨拶などできるわけもなく、隣国から嘲笑された。男爵令嬢であった王太子妃はそれすらも理解できなかった。


〰️ 


 王妃(現国王の母)のお茶会では、王太子妃は完全サポートを受けながら覚えていくはずだった。しかし王太子妃は、一つ教えられれば『そんなやり方はおかしい』、一つ注意をされれば『そんな言い方は酷い』と、自分は一つも学ばず相手の批判ばかりしていた。


 そんな時、国王と王太子が隣国の王家との交渉に国境付近へ行っている間に、王太子妃は不貞を働き、それが王妃の知るところとなった。前回、国王が秘密裏に処理したため、二度目とは知らない王妃は、これまた秘密裏に外交大臣子息を排除した。



〰️ 


 1年後、王太子妃の産んだ子供サハジリアスは王太子に似ており、国王と王妃がこっそりとホッとしたことは、気が付かれることはなかった。


 サハジリアスが生まれたことで王太子は国王になった。


 しかし、サハジリアスが生まれて半年、災害被害を視察に行った国王(現国王)は、報告で想像していたより被害が小さく早めに帰還した。王宮に着くと、メイドにやたらと引き止められた。それを不審に思った国王は、止める者たちを振りほどいて王妃の寝室へ向かった。

 

 そこでは宰相子息と王妃の性行為の真っ最中であった。宰相子息はその場で近衛兵によって処罰された。そして、賊として処理された。


 前国王と前王妃は、それぞれ秘密裏に不貞相手を排除したことを国王に告げた。排除された三人は、学園時代に現王妃である男爵令嬢を国王とともに取り巻いていた者たちだった。国王はショックを抑えきれず、数週間部屋に閉じ籠もった。


 部屋から出てきた国王は前国王と前王妃に言った。


「王妃を塔へ幽閉し病気になってもらいます。サハジリアスが3歳になる前に後妻を娶ります。国のためになる令嬢であれば、どなたでも構いません。どなたであっても誠心誠意尽くすことを、父上と母上に誓います。

これまで私のワガママを赦していただき、ありがとうございました」


 それから二日後、王妃は儚くなった。一年の喪が明けると、元婚約者であった侯爵令嬢の妹が、後妻として王宮に入った。


 新しい王妃は公務の上で、国王を大変サポートし、国王はそのことに安らぎを感じ、いつしか本当に愛するようになった。

 王妃は心の広い女性で、サハジリアスも我が子も同等に扱い愛を注いだ。国王は王妃の子である第2王子を王太子にしようと言ったが、王妃が頑なに反対した。

 それならばと、サハジリアスが学園を卒業するまでは王太子にしないと国王が決めた。


〰️ 〰️ 〰️


 サハジリアスは現王妃が愛を注いでくれていたため、実母について考えたことはほとんどなかった。


「実の母が、不貞を……」


 サハジリアスの言葉は誰にも聞こえない。憔悴してブツブツと呟いているようにしか見えないのだ。


「アス様ッ!」


 マジェンヌがサハジリアスの腕を振った。サハジリアスは目を開いてそれを振りほどいた。


「汚い手で、オレに触るなっ!」


「アス様………」


 マジェンヌの瞳から絶妙なタイミングで涙が溢れた。今までのサハジリアスだったらすぐに絆されていただろう。今となってはあざとく見えるだけだった。


「お、お前は! その手で何人の男の裸を撫でてきたのだっ! その口で何人の男に触れてきたのだっ! その体を何人の男に許したのだっ!」


「我々が知るだけでも殿下を合わせて六名でございます。市井の者は数え切れませぬゆえ」


 宰相がこともなげに答えた。


「俺は手は出しておらぬっ!」


「しかし、口付けはなさっております」


 サハジリアスは自分の口唇を袖でゴシゴシと擦り、それでも嫌悪感が拭えぬらしく歯を剥いて悔しそうにしていた。


 マジェンヌはそんなサハジリアスを見て、驚きを隠せず、顔を鬼面に変えて宰相を睨んだ。

 

「あんたに何がわかるのよぉ!!」


 宰相に食って掛かったマジェンヌは簡単に近衛兵に取り押さえられた。


「将来国政の中核となる子息たちを誑かし、国家転覆を企てた者を牢へ連れて行け」


「「はっ!」」


 マジェンヌは、ゴミのように後ろ襟を掴まれ引きずられた。高級絨毯の上は面白いように滑る。それでも暴れて逃げようとしていた。これ幸いに、近衛兵はマジェンヌの肩口に手刀を入れ気絶させた。本来、近衛兵は女性には暴力を振るえないのだ。後ろ襟を引っ張ることが暴力でないとは言えないことには、誰も忠告しなかった。近衛兵は、気絶したマジェンヌを再び後ろ襟で引きずり謁見室を出ていった。


 サハジリアスはそれを見送ることはなかった。ただただ俯いて心ここにあらずであった。


「サハジリアス。お前は何度かナミューリンダ嬢を公衆の面前で罵ったそうだな」


 サハジリアスは顔を上げ考えた。しかし、罵ったことではなくナミューリンダのことだけを考えたようだ。


「ナミ! オレはナミと話をしなくてはっ!」


「バカモノっ!」


 国王が今日初めて怒鳴った。サハジリアスは飛び上がって尻もちをついた。


「ナミューリンダ嬢は、お前に冤罪を仕掛けられ公衆の面前で貶められ、お前たちに恐怖を感じたようだ。学園に通うことも叶わず自宅にて療養しておる」


「え、冤罪……??」


「そうだ。1年生のナミューリンダ嬢が3年生のあの娘を虐めるなどできるわけがあるまい?

校舎が違うのだぞ。学園に通っているお前がなぜそれがわからぬのだ?」


「だ、だって、マジィがやられたって……」


「証拠は?」


「…………な……い……で…す」


 サハジリアスは思い出すように答えた。あの場面この場面、どう思い出しても記憶にあるのはマジェンヌの涙だけで、証拠の品も証人もいなかった。


「ナミューリンダ嬢は、昼食時共同棟の食堂室を使っていたが、お前たちは生徒会室に運ばせていたな。それでどうやって服を汚すのだ?」


『トントン、トントン』


 国王は、顎を乗せていない方の手で、肘掛けをトントンと指でタップした。これは国王が苛立っている証拠であることは、みな知っていた。サハジリアスももちろん知っている。


「各学年棟の入り口には兵がいる。それを掻い潜って教科書破損などできるのか?」


『トントン、トントン』


「あの娘へ忠告していたのは、他の高位貴族令嬢だ。だが、その忠告は、正しいものだった。それを虐めの言葉だと勘違いし、さらに、ナミューリンダ嬢が言ったことになっているようだな。

お前は情報収集も状況判断もまともにできんのか?」


『トントン、トントン』


「ナミューリンダ嬢がまともに学園へ通えなくなって随分と時間が経っておる。お前はそれさえもわかっていなかったのか?」


 サハジリアスは、マジェンヌから『ナミューリンダから虐めを受けている』と聞いており、それを信じていたので、ナミューリンダは学園にいるものだと思い込んでいた。


「ナ、ナミは学園にいなかった?」


「そうだ。学園にいない者がどのように虐めなどしたのであろうなぁ。ナミューリンダ嬢がやっとの思いで登校すると、お前たちが現れて罵ったと報告を受けている」


 国王は冷めきった目でサハジリアスを見ていた。


『ワシは愚かにも恋に溺れてしまったが、コヤツは冤罪を仕掛けるまでしたか………。ワシより愚かとはな。

それにしても、ナミューリンダ嬢が登校した日を狙っているとは、ナミューリンダ嬢のクラスにもあの娘の手先に落ちた者がおるのやも知れぬな』


 その者は翌日には判明し、ナミューリンダのクラスメイトの子爵子息であった。連絡を受けた子爵は『王子殿下の婚約者』に不利になる行動をとった息子には、学園を即退学させ自宅にて監禁再教育を施すことにした。


 国王の話は続いた。


「ナミューリンダ嬢は、真面目に王妃になろうとして努力しておった。それは国に忠誠心があったからだ。お前に現を抜かしたからではない」


 国王のその言葉に、サハジリアスは今までないくらいに動揺していた。


「……まさか、自分の気持ちが伝わらないからと、他の女に手を出したのか?」


 国王は急に思い当たり、訝しんでサハジリアスを見た。サハジリアスはやっと自分の気持ちに気がついた。サハジリアスはナミューリンダには、王妃ではなくサハジリアスの妻になってほしかったのだ。


「先程、ワシの若い頃の話をしたな。もし、お前がきちんと順番を考え、ナミューリンダ嬢を傷つけることなく婚姻解消を願ったのならば、あの者と共に子爵領でも与えゆっくりと過ごさせてやったのだ」


 国王は手を胸の前で組んだ。


「あの娘に王妃は無理だ。それでもお前が愛を取りたいと申せば、それを叶えてやるつもりだった。それが王妃の願いだったのだ。

王妃はあの娘の不埒を知らぬゆえ、お前の気持ちを優先させたいと申しておった」


「義母上の……」      


「そうだ。王妃は、王妃としてではなく母親としてお前を愛し、お前の幸せを望んだ。だが、それも無駄となった。

まさか、その真実の愛と曰ったものでさえ、ただの子供じみた試し行動であったとはな」


 試し行動とは相手の気持ちを知りたくて、自分のやりたいことと反対のことをし、それを怒ってくれたり悲しんでくれることを喜ぶ行動のことである。サハジリアスは心の奥では、ナミューリンダに心配してほしくてマジェンヌと親しくしていた。それゆえ、サハジリアスはマジェンヌとの性行為は拒んだのだった。


 サハジリアスは肩を落して前方へ倒れた。


「サハジリアス。王子として最後の仕事だ。自分の不始末の濯ぎは自分で考えよ。

しばらく謹慎だ」



〰️ 〰️ 〰️


 二週間後。


「兄上は昨日旅立ったよ」


 侯爵邸のサロンでは、美しいがまだ幼さの残る二人がお茶をしていた。


「そうですか。わたくしに魅力がないばかりに、サハジリアス殿下には申し訳ないことになりましたわね」


「何を言っているの? ナミューリンダ嬢はとっても魅力的だよ。そうでなければ僕はこうして毎日来たりしないよ」


 リビナイトは俯くナミューリンダの顔を覗き込むように見た。リビナイトは、あの日から二週間、毎日のように侯爵邸を訪れていた。


「リビナイト殿下……」


 リビナイトはサハジリアスの弟で第2王子だ。年はナミューリンダのひとつ下。現王妃の第一子である。


「兄上はご自分でご自分の罰を決められた。それはそれは厳しい罰だけど、それほど兄上自身が悪かったと反省したということだよ」


 サハジリアスは王家から除籍され、南の未開拓地へと赴いた。そこは衛生面も整っておらず食事も安定していない。管理者に奴隷のように使われるとも言われている。


 サハジリアスは自ら希望して去勢した。万が一の心配事を残したくないとの処置だ。

 リビナイトはさすがにそれをナミューリンダに伝えることはしなかった。国王も王妃も、さらには侯爵夫妻もそれを伝えるつもりはない。


「わたくしはよくわからないのですが、そんなに罪深いことをなさっていたのですか?」


 ナミューリンダから見たら、サハジリアスはまるで奴隷落ちのような状態だ。


「僕もよくわからない。でも、いなくなったのは兄上だけじゃないからね。それだけの大きなことだったんだろうね。兄上は、リーダーとして彼らの行動にも責任があったんじゃないかな」


 サハジリアスの側近候補たちは北の兵役へ行かされた。サハジリアスはそれより厳しい罰をと、自ら望んだのだ。


 二人は雰囲気を変えるため、ゆっくりとお茶を一口飲み菓子を口にしまたお茶を飲んだ。菓子の美味しさにナミューリンダが少しだけ綻んだことに、リビナイトはホッとした。


「ところで、ナミューリンダ嬢。1つ提案があります」


「なんでしょうか?」


「学園生活を僕と一緒にやり直しませんか? 僕は来週から学園の1年生になります。一緒に1年生から始めませんか?」


 ナミューリンダは実質半年ほどしか学園へ通えなかった。もっといろいろな方とお話をしたりお友達を作ったりしたかったと思っていた。


「そんなことが可能なのですか?」


「可能だよ。実際、年齢が上の者は何人かいるよ。イチイチ年齢を聞いたりしないから、知られていないシステムだけど。騎士学校を辞めて貴族学園へ入り直したり、外交官の家族で1年遅れになったり、ね」


「なるほど、そうでしたのね。わたくしが特例でないのでしたら、是非通いたいですわ」


「ふふふ。特例は嫌だっていう真面目さが、ナミューリンダ嬢の魅力の1つだよね」


 リビナイトに褒められてナミューリンダは頬を染めた。


「同じく学園に通うなら『リンダ』って呼んでいいかい? 僕のことは『リビ』って呼んで」


「わ、わかりましたわ。……リビ様……」


「っ!!! カワイイ!!!」


 リビナイトはナミューリンダに抱きついた。ナミューリンダは顔を真っ赤にさせた。


「リンダ。学園では本気で君を口説くからね。よろしくね」


 リビナイトが体を離すと、ナミューリンダは顔を赤くして口をあわあわとさせていた。サハジリアスとはエスコート以外での接触は一度もなかった。

 メイドが慌てて二人の中に入り、ナミューリンダを一人がけソファーへと移した。別のメイドが濡れタオルと冷たいお茶を用意していた。

 リビナイトは少しばかりやりすぎたことを反省したが、ナミューリンダに男性として意識してもらえたことには満足していた。


 メイドから話を聞いた侯爵閣下は途轍もなく渋い顔をした。そして、侯爵夫人は侯爵閣下の顔を見てコロコロと笑っていた。


「ナミの照れ屋さんは、旦那様譲りですわね」


 侯爵夫人が嬉しそうに呟いたことは、リビナイトは知る由もない。


〰️ 〰️ 〰️


 サハジリアスが旅立った夜、国王の執務室のソファーには2つの影が肩を落としていた。


「まさか、息子がワシと似たような罪を犯すとはな」


「陛下は侯爵令嬢を傷つけなかったではありませんか。彼女は隣国で幸せになっておりますし」


「傷ついていないわけではないだろうけどな」


「わたくしも、まさか自分の長男が兄と同じことをしていたとは。その場で殺されなかっただけでも、ありがたいです」


「あの娘は王妃ではないからな」


「そうですね」


 国王と宰相は、自分たちの過去を思い出しため息を漏らした。


「侯爵はよく赦してくださりましたね。侯爵がナミューリンダ嬢を溺愛していることは有名ですのに」


 宰相の質問に国王は苦笑いした。


「ああ、優秀な男だ。いくら溺愛しておっても娘より国のことを考えてくれていた。

だが、対応があと二日遅かったらどうなっていたかわからんがな」


 侯爵は、国王や王妃がサハジリアスに何かできる様子でなかったことに理解を示していた。国王も手が空き次第サハジリアスの件に対応し、まずは近衛兵たちを呼んだりしていたので、侯爵は国王たちの対応については納得してくれていたし、国王たちがナミューリンダを蔑ろにしたわけではないことも理解してくれていた。


「なるほど、流石ですね。

そういえば、あの娘は牢で死んでいたと報告があがっておりますね」


「ああ。牢番が不審な物音で外に出たほんの数分であったようだ」


 鉄格子の近くで短剣で心臓を一突きにされていた。騎士団で支給される短剣だった。

 マジェンヌが鉄格子へ駆け寄る人物など限られている。

 国王と宰相は、サハジリアスではないかと思っている。しかし、その証拠もないし徹底的に調べるような案件でもない。形は違えど死罪だったのは間違いないのだから。


 マジェンヌはこの二週間、毎日のように尋問を受けたが、自分の美しさを自慢し自分のテクニックを悠長に話していた。人の弱味を見つけることが得意なのだそうだ。


 マジェンヌはダバト男爵の夫人の次兄が平民に産ませた子供だ。夫人の次兄は、それを機に平民になった。しかしすぐに、マジェンヌの母親の浮気相手と喧嘩になり殺された。

 その後、マジェンヌの母親は夫(ダバト男爵夫人の次兄)の死を気にせず、その男や他の男と楽しんでいた。マジェンヌは人誑したるテクニックを母親から伝授されていた。

 そして、母親が痴話喧嘩の末、男に殺されると、泣きながらダバト男爵家を訪れた。元々、次兄を慕っていた夫人はマジェンヌを受け入れてしまったのだった。人誑しのテクニックはここでも活かされたのだろう。


 今回の籠絡はマジェンヌの単独行動であるようだと報告されている。


「男爵一家は本日屋敷を出ました」


「そうか」


 ダバト男爵は何も知らなかったそうで、それは認められたが、管理責任は問われ爵位の剥奪となった。


「王妃様が手を差し伸べたようです」


 男爵夫妻とまだ幼い子息は、王妃の実家で使用人として働くことになった。三人にとっては貴族でなくなるだけで今までより良い生活になりそうだ。


「甘いのぉ。まあ、それが王妃の懐の大きさだな。ワシもそれに助けられておるゆえ、文句は言えまい」


「そうですね」


「リビナイトも学園だな。リビナイトは大丈夫であろうか?」


「私の次男もですよ。王子殿下が通っておられる間は、監視の目を増やしておきましょう」


「うむ、女性の目も必要ではないかな? 近衛兵たちのようなこともある」


「そうですね、それはよいお考えであると思います。後は、少しでも怪しい場合は即隔離、再教育がよろしいかと」


「そうしてくれ」


 国王の執務室での二人だけの酒席は、解決の安堵とこれからの心配で、静寂に包まれていった。

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もう呪われてんだろこの王家.....
[気になる点] その学園の教師、大丈夫? 生徒らをちゃんと監督できてる?
[一言] 国王は王太子時代に淫売に誑かされたけど他の腐るほどある婚約破棄小説と違って筋はきっちり通してるから交換を抱ける
2022/06/03 16:34 退会済み
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