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犬耳少年のホワイトデー

作者: そうくん

ホワイトデー直前記念として書いてみました。

一様西洋風な世界が舞台ですが、ところどころ和風な要素もあります。予めご了承ください。

  ここは、住人の役6割が獣人のとある町。

その町に住んでいる青い髪に犬の耳としっぽが特徴の犬人族いぬじんぞくの少年・ソウタは、

 1人の猫人族ねこじんぞくの少女に恋をしていました。


   彼女の名前はテリハ

 黒くてキレイなセミロングの髪、

 三毛猫の耳としっぽ、

 その猫耳に生えている白くてふわふわな耳毛、

 左右の口元に生えている猫ひげ、

 天使のように甘く透き通った声。


  すべてにおいて、ソウタを魅了していました。

 でも恥ずかしがり屋のソウタは、彼女との会話が未だにできず、離れた場所で彼女のチャーミングな姿を

 眺めることしかできませんでした。


ソウタ「今日もテリハちゃん可愛いなぁ…」



???「こちょこちょこちょ♪」


ソウタ「うわっ!?」


  すると突然、先端が白く、ふわふわな金色のしっぽがユラユラと動き、ソウタの背中をくすぐりました。


ソウタ「あ、ミスズちゃんじゃないか!」


  フワフワなしっぽを使い、ソウタを驚かせたねは、 金髪ポニーテールの狐人族きつねじんぞくの少女・ミスズでした。

ミスズはソウタの幼馴染でもあります。


ミスズ「えへへ♪ ソウタくん、またテリハちゃんのストーカーしてたの?」


ソウタ「そんなつもりじゃないよ!」


  ミスズにからかわれ、慌てるソウタ。

するとミスズが、ソウタにこんな提案をしました。



ミスズ「そういえば明日はホワイトデーじゃん? いっそのことテリハちゃんにお菓子をプレゼントして、そろそろ友達になっちゃえば?」


  ミスズは元気よくそうアドバイスしました。

 でもソウタは、おどおどしながらこう言いました。


ソウタ「でも僕、この間のバレンタインでテリハちゃんからチョコもらってないよ。なのにホワイトデーにお菓子あげるっておかしくない?」


  ソウタがそんなことを言うと、それでもミスズはまたも元気よくこう言い返しました。


ミスズ「別にいいんじゃない! 男の子が女の子にお菓子をプレゼントすることに変わりないんだから! それに大切なのは、想いを伝えることなんだから!」


ソウタ「確かにそれもそうか…。待てよ…! そうだ! どうせならあれをプレゼントしてみよう! きっと喜ぶかも!」


ミスズ「あれって?」





  ミスズのアドバイスがきっかけとなり、

 ソウタは彼女にお礼を言った直後、急いで家に帰宅しました。帰宅して数分後、ソウタは母親からレシピを借りて、台所に行きました。

 実はソウタは、母親がよく作り、自分も大好きなチョコナッツクッキーを作り、テリハにプレゼントしようとしているのです。

 母親が書いたレシピを参考にチョコナッツクッキーを作るソウタ。


ソウタ「よし! できた!」


  しばらくして、ついにチョコナッツクッキーを完成させたソウタ。犬のしっぽのように太短い茶色いチョコクッキーの中には、ナッツがいっぱい入っています。我が家の伝統のスイーツなら、きっとテリハも喜んでくれるだろう。ソウタの心の中は希望で満ち溢れていました。




  そして次の日、ホワイトデーの当日。

ソウタは緊張しながらも、勇気を振り絞りながら

テリハの前に現れました。


ソウタ「あ、あの! テリハちゃん!」


テリハ「あれ? ソウタくん? どうしたの?」


ソウタ「これ…僕が作ったチョコナッツクッキー…。

良かったら受け取ってくれる…?」


  ソウタは、作ったチョコナッツクッキーが入った青いラッピング袋


ソウタ「でも変だよね? バレンタインにチョコもらってないのに、ホワイトデーのプレゼントをするなんて…」


テリハ「そんなことないよ。私チョコクッキー好きだから、すごく嬉しいよ! さっそくここで食べてもいい?」


ソウタ「もちろんだよ!」



  テリハはラッピング袋からチョコナッツクッキーを取り出し、ワクワクしながら1本いただきました。

 ソウタも初めて作ったお菓子を気に入ってくれるかどうか緊張していました。

 まず1本食べ終わり、テリハが感想を言います。


ソウタ「どうかなぁ?」


テリハ「う〜ん。味は良いけど、ちょっと苦味が強すぎ。もうちょっと甘みを強めた方がいいかも」


ソウタ「あちゃ〜。あの時味見するの忘れちゃった〜…」


  テリハに指摘され、チョコナッツクッキーの味見を忘れたことを後悔するソウタ。

 するとテリハは再び笑顔になり、こう言いました。



テリハ「でもソウタくんの真心がこもっていて、とても美味しいよ! ありがとう!」


ソウタ「ど、どういたしまして…」


  テリハに褒められる、顔を赤くするソウタ。

そしてソウタは、思い切ってテリハに言いました。


ソウタ「テリハちゃん、実は1つ言いたいことがあるんだ! こんか僕で良かったら、友達になってくれない!?」


テリハ「もちろん良いよ! よろしくね、ソウタくん♪」


  ついにテリハと友達になれて、ソウタは安心し、

 大喜びしました。




  それからソウタはテリハと別れた後、

 喜びながらミスズに報告をしました。


ミスズ「ちゃんと渡せて友達になれたんだ! 良かったね!」


ソウタ「うん! 夢みたいだよ! あっ、実はミスズちゃんにも渡したいものがあるんだ!」


ミスズ「なになに?」


  なんとソウタは、ミスズにも青いラッピング袋に入ったチョコナッツクッキーをプレゼントしました。


ミスズ「えっ!? 私にもいいの!?」


ソウタ「もちろん! テリハちゃんと友達になるための

 アドバイスをくれたお礼さ。それにミスズちゃんも僕にとって大切な友達だからね」


ミスズ「……。も〜う、ソウタくんったら!」


ソウタ「うわっ!? だからそれやめてって!」


  ミスズは嬉しさのあまり、昨日のようにしっぽで

 ソウタの体をくすぐりました。





  こうして、ソウタ、テリハ、ミスズの3人は、

 色んなところへ遊びに行ったり、一緒に勉強したり、

 かけがえのない友達として楽しい日々をすごしました。


  次の年のホワイトデーに、ソウタは甘みと苦味を改善したチョコナッツクッキーをテリハにプレゼントし、

 彼女から合格をもらったそうです。


  それから月日が流れ、ソウタとテリハは結婚し、

 幸せに暮らしているそうです。




  え?ミスズはどうしてるって?

 ご安心ください。ミスズも素敵な旦那さんと結婚し、

 ソウタ達のように幸せに暮らしていますよ。





 おしまい





 〈イメージ声優紹介〉


 ソウタ:内田真礼さん

 テリハ:関根瞳さん

 ミスズ:夏吉ゆうこさん




キュートなテリハちゃんとムードメーカーなミスズちゃん。読者の皆様はどっち推しですか?

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― 新着の感想 ―
ソウタとミスズの間に恋愛要素がなく、友達同士ということで、恋愛物でありがちな失恋してしまうキャラクターがいないため、最後まで平和で安心して読むことができました。 とても平和ですごく良い作品だと感じまし…
2025/03/31 14:32 篠崎イクト
[一言] えっと、書き忘れましたが、 なんでこんなすごい方が私の作品を読んでくれたんですか!? と驚きでいっぱいです! 感想まで!本当にありがとうございました。 すみません。感想で言ってしまって、、。…
[一言] どうも、Raisaです!お久しぶりです! 前は感想ありがとうございました! 男性からのプレゼント、、、。 いいです!男女関係なくプレゼントは、嬉しいですよね! 手作りならなおさら! 私も、誰…
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