いつか、私になれたら
百合初書きです。
あなたのことが好きで、好きで、大好きで……だから私は
きみのことが大っ嫌い
彼女はクラスで誰よりも可愛かった。そう、可愛かったの。私の贔屓目じゃなくて、みんな口に出しては言わなかったけどそういう共通認識みたいなものは確かにあった。
私と彼女は…親友と言ってたも過言ではない関係性だったと思う。少なくとも当時の私はそう思ってた。
私は彼女に、興味ないなんて顔で接していたけれど本当はなによりも誇らしくて堪らなかった。
こんなにもすてきな子が私の友達なんだって自慢してまわりたかった。
人間はモノじゃないのに、私は彼女をモノのように考えていたのかな。
でもそんなこと絶対きみには知られたくなかった。
恥ずかしかったし、私のなけなしのプライドがそれを許そうとはしなかった。
だから必死に取り繕って、対等な友達を演じてた。
実際は心の奥底では輝くような情景と醜い嫉妬が渦巻いて私のこころはめちゃめちゃになって苦しかった。
私はどうしても彼女になりたかった。
だから彼女の真似をした。彼女の着ている服、使ってる化粧品、好きな芸能人、お気に入りの音楽……彼女が選んだものすべてを知りたかった。だってそうすれば、彼女に近づけるとおもったから。ほんとに馬鹿みたいね。馬鹿だったんだろうな、私は本気でそう信じてたんだもの。
そんなことあるわけないのに。
彼女のことが好きだったのにどうしてこんなに苦しいの。ただあなたに憧れた。私はあなたになりたかっただけ。あなたを嫌いになんてなりたくなかった。こんな汚い気持ちをどうして捨てることができないんだろう。こんなんじゃもっともっと彼女から遠ざかる。
誰か、誰か私を助けて。
それでも私は彼女がすきなの。




