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異世界学園の女装戦姫  作者: 持木なこ
2/3

2 妹の代わりに学校へⅡ

「みーちゃん…?」


校舎に向かい、おどおどと周りを見渡していると、誰かに呼ばれたような気がして振り返る…そこには同じ制服を着た二人の女の子がいた。

一人は活発そうなショートヘアのボーイッシュな感じの女の子、もう一人はいかにも文学少女といえばいいのか、ちょっと野暮ったいメガネの大人しそうな女の子だった。

みふゆの友達かな…? さっそく強敵っぽいぞ

オレは早速の難関に喉を鳴らす。


「おはよー!やっぱりみーちゃんだ! もう退院したんだね!!」

「おはようございます、もうお体は大丈夫なのですか?」


やばい、事前情報がないから困ったぞ…一応返事しないとやばいな。


「お、おはよう…う、うん…おかげさまで、今日からまたよろしくね。」


オレはちょっとぎこちなくはなってしまったが、笑顔を作り挨拶をする


「良かった、みーちゃんがいなくてずっと寂しかったんだから!」

「そうですね、やっぱりみふゆさんあっての私たちですからね。」


この子たちがみふゆの友達なのか…本気で心配してくれてるみたいだ。

いい友達を持ったな…みふゆ。

でも、どうしようこの子たちとどうやって話を合わせればいいのか検討がつかないぞ…


「…ちゃん、みーちゃん!」

「あ、はい!」


いけね、考え事してたから聞いてなかった。


「大丈夫ですか?」


文学少女がすこし心配そうに尋ねてくる。


「ご、ごめん久しぶりの学校で緊張してたのかも…」

「そうだね、無理しちゃだめだよ!」

「う、うん…ありがとう。」


みふゆの性格からここは大人しく話を聞いたほうが正解っぽいか…?

すこし彼女たちの話に相づちをすることにした。


「そういえばさー昨日のMF見た? Rey!S!JAMP!の新曲、ちょー良かったよね! 山島くんが盛りに盛ってたからもう3150みたいな!超テンアゲだった!!」


「ふ、ふぇ?」


なに、何語!? 3150って化学式みたいな話かな!?

1ミリも理解できないんですけど!?


「そうですね、私は山島×高岡のちょっと対立してるとことかたまらないですね。」

「そうなのよ!ミサ×フジのようなちょっと俺様受けてきなのも!」


カケル!? 今度は数学かー!? この子たちってもしかして相当な腐女子ってやつなのか!?

オレの頭のキャパシティーが悲鳴を上げる。


「ねぇ、みーちゃんもそう思うよね!!」

「そ、そうだねー・・・もう山島さいこー・・・」


とりあえず、合わせておくことにしよう。

みふゆ…もう少しだけ、友達は考えような…

オレは登校前から体力の限界を感じながら彼女達と校舎にはいるのだった。



「じゃあ、みーちゃん、また休み時間にね!」

「う、うん…また後で」


オレは彼女達に手を振ると事前に母から聞いていたみふゆの席を探す。

ーーえっと、確か一番後ろの窓際っと。

迷う素振りをなるべく悟られないようにゆっくりと席につく。


「はぁ…疲れた。」


席につくなり机に頭をつけ、げんなりとしていた。

まさか女子の会話があそこまでわけわからんものだとは…恐るべし女の子。

やっと落ち着ける…そう思っていると、ちらりとオレを見た女の子が嬉しそうにとことこと歩いてくる。


「あっ! やっぱり結城さんだ!」

「えっ! みふゆさんっ!?」

「おー! 結城さんだ! やっぱり学園一の美少女がいないとこのクラスも花がないぜ!!」


ーえ、えぇ!? どういうこと!?


やっと休めると思った矢先、オレを囲むように人垣ができてしまった。

というか、おいさっき学園一の美少女って言ったか!?

みふゆってそんなに人気者だったのかよ!? 軽く頭を抱えてしまった。

まぁ、家族びいきの目線で見てもみふゆは可愛いと思うけどな、な!


オレはなんとか「すいません、病み上がりなんで…」と言って周りの人たちを散らすことに成功すると再度机に頭を付ける。

まぁ…初日だけ、だよなきっと…たぶん。


ホームルームが終わり、授業の準備をしようと机の中に手を入れる。

カサッ…

指になにか薄いものが触れる。

ーなんだ、これ?

それをスッと目の前に持ってくる。 それは一枚の便箋だった。

ーえ、えぇ!? これってもしかして!?

ラブレターというものだろうか…?

オレの初めてもらったラブレターは妹宛てでしたとさ。

じゃなくて、これ今日入れたのか…? それともずっと前…?

便箋の裏を確認する、しかし、そこには結城みふゆ様とは書いてあったが、誰からのものか分かることは書いてなかった。

みふゆに申し訳ないと思いながら俺は封を開ける。そこに書かれていた文章に首を傾げる。


『放課後、屋上へ来てください。そうすれば、あなたの願いが叶いますーー。』


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