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少年は刀一本でPKになる  作者: 鳩乃蕃茄
PKのはじまりはじまり
47/79

38 クラン結成

はい。先週は調整のためにこっそりおやすみしました。

あ、ついにブレオンで1億達成したんで多分もう少し集中して小説書きます

そんなわけで夜。


招集時間の夜9時…の2時間ほどまえつまり今は7時。夕飯を早々1人で食べ終えログインする。


ログインした場所は例にも漏れずいつもの宿屋。ささっと装備を確認し、師匠の道場へと向かう。道場への道も慣れたものでのんびりと歩き道場の扉を叩いた。


「…なんじゃお主か。はよ入れ」


「なんだか機嫌悪そうっすね今日は」


なんか師匠の周りもバチバチしてるし


「何この後の用事が面倒くさくての。それだけじゃよ。いいから入れ」


「そうですか。それじゃお邪魔します」



「さて、新しい技の伝授と行きたいところなんじゃが、お主の練度が絶妙に上級に足りなくてのう。今回はそれの上げと同時に基本的な部分の見直しと行くかのう」


「了解です」


まあ前回のボス戦で見直すべきポイントが色々見つかったのはある意味僥倖だろう。


「まずは握り方じゃ。お主何も考えずに握っているようじゃが、もう少し考えて握ったほうがいい」


まずは右手。力をほとんど込めず、グーではなく少し指を伸ばして緩めに握る。

次は左手。力を入れない右手に変わってこちらにはしっかり力を込める。特に小指と薬指に込め、握る。


試しに正眼に構え振ってみる。


うん。前よりも振りやすい。


「いい感じじゃろう?では次は振り方──」







「──うむ。まあとりあえずこんなところかのう。及第点には及ばぬが時間がないからのう…」


「ハァハァ…ありがとう…ございました…」


「さて、お主もさっさと用意してくれぬか。わしもそろそろ出るんじゃよ」


そう言いながら師匠はいつもの鮮やかな道着から真っ黒な和服に着替え、さらに天狗の面を付け、外に向かう。


「ほれ!ボケっとしてないでいくのじゃ!」


「あ、ああそうですね」


見蕩れてたが師匠の言葉でハッとなり慌てて外に出る。


「それじゃあの。わしは明日まで帰らんと思うからそのつもりで頼むぞ」


「了解です」


途中で師匠と別れ、いつも通り闇ギルドに向かう。時間は8時55分。ちょうどいいぐらいだろう。




━━━━━━




いつもの部屋に入ると既にほとんどのプレイヤーが集まっていた。


「よう!来たか」


「おうよ」


「とりあえずそこら辺に座っててくれよ」






「さて!集まったようだな。まずは1つ。

みんな昨日はお疲れ様だったな!PK共が集まってやったとは思えんほどに完璧な戦闘だった!改めて言おう。ありがとう!



それじゃ本題に入ろうじゃないか。知ってるやつは知ってると思うが前回蜘蛛野郎が守っていた門が開いた。

中はどうなっていたと思う?なんとなダンジョンが広がってたんだとよ!

人を殺すことほどじゃないがワクワクしないか?

あん?単刀直入に言えだと?しょうがない。

では言おう。


俺はPKによるPKだけのクランを建てようと考えている!!!


参加条件は簡単だ!PKであるだけ!それだけだ!


参加するつもりがあるものは俺に話しかけろ!参加する気が無いものも話しかけろ!」





━━━━━━━





そう彼が宣言したときの反応はおおよそ2通りだった。

嬉しそうに叫び歓迎する者。


残念そうな顔して断る者。


そして俺は…




後者だった。





別に高田馬場の行動に落胆した訳じゃない。

けれど、ふと考えてしまったのだ。

『俺はここのクランでも馴染めなくて雰囲気を壊してしまうのではないか?』

普段なら分からないと笑って自己否定するだけだが如何せん間が悪い。

ちょうど昼間に過去と向き合わされたばかりだった人間の思考はいとも容易く揺らぐ。

そしてそこからは簡単だった。



思考は悪い方向へと転がるように落ちていく。

雰囲気を壊してしまうのではないか、関係が悪くなってしまうのではないか、そもそも俺は参加してもいいんじゃないか。


そして行き着く先は…


「すまん高田馬場。俺は参加出来ない。

多分クランに参加するには相応しくない人間だ」


周りがザワつくのを感じる。


「何を言って……いやそうか。お前は元々群れるのが嫌いだったもんな…。

お前がそれを選択するなら構わんよ。ただ参加したくなったら言ってくれ。お前ならいつでも構わんからな!」


「…ありがとうな」



部屋から出ると同時に【隠伏】を使用し、フィールドへと向かった。





━━━━━━





1時間ほどたった頃だろうか。

一旦アイテム整理と補給を兼ねてカーバンクのショップに寄っているとチャットが送られてきた。


『やっほー今どこいる?終わったからボス倒しにいこうぜぇい!』


相変わらずハイテンションだなこいつ


『今はカーバンクにいるよ』


『了解!すぐ行くからカーバンクのサマンルカフェで待ってて〜』


『わかった』


てな訳でのんびり歩いてカーバンクの中央通りにあるカフェ・サマンル着いた。

どうやったのか先にマーガリンは来ており、テラスでコーヒーを飲んでいる。


「あ、やっほー」


「おう。あ、俺はカフェラテ1つ」


「で、どうして参加断ったの?」


「……分かってるだろ。俺は」


「俺はまたやらかしちゃうかもしれないって?なろうの主人公じゃあるまいし。傲慢が過ぎるっての。

だいたいあなたがいた剣道部なんてあんなの周りも狂ってたしなんの参考にもならないわよ」


「そうなのか」


「そうなのよ!」


「じゃあ俺はどうすればいいんだ?」


「そんなの決まってるじゃない。あのクランに入るのよ!」


「…いや今更入るの難しいというか」


「あーもうめんどくさいわね…」







その後ボス戦そっちのけで割と深夜まで語り合った。

圧倒的タイトル詐欺

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