37 憂鬱
遅くなりました!!!!この影響で次回も遅れるかもしれないし遅れないかもしれないです
昨日の興奮さめやらないがそれでも絶対に逃げられないものが世の中にはある。
そう月曜日だ。
今日からまた1週間クソみたいに素敵な学校生活を過ごすわけだ。
その事実にあと30分と迫る中それから目を逸らしつつ朝ごはんのお供にタブレットのネットニュースを適当に流す。
『──2045年度の失業者数予想を政府は増加修正する模様です。これらの主な原因は労働者の仕事をAIが出来るようになり、会社側の人件費削減などの理由により大量リストラが発生などが主な原因と言われています。
えーそれに対し政府は来月から臨時の補助金を出すことを決定しました。詳しくはこちら
………
また日本の総人口も少子高齢化や上記の理由からさらに減少傾向へと向かう見込みです』
どうやらまた失業者数が増えるらしい。最下層の仕事が軒並みAIに取られたらしいしな。禿げた専門家が話を続ける。
『えー、各国が独自に開発していたAI分野ですが、3年前。我が国のベンチャー企業【Anonymous】が制作したAI【Deputy Of Human Sanctity】....通称【DOHS】がその競走に終止符を打ち、ついに人類は技術的特異点【シンギュラリティ】に到達しました。
絶対に不可能とい言われていた判断理由の説明、未来予知レベルの予測、ルーティンワークの自動修正や効率化、起動した直後の無の状態から絵を作り出す等一部ではありますが、芸術分野にまでと凄まじいとまさに革命をもたらしたAIでした。
そしてそのAIを積む人形【Lahmu】。こちらも凄まじく、セラミック製のフレームに人工筋肉を合わせ、最上級クラスだと人間と変わらないレベルの見た目になります。そして何よりここまでの高性能AIを大型化せずに積み、それを小型サイズでも問題なく処理するというのが凄まじいのです!!』
そういえばそうだったな。改めて聞くと恐ろしい。
『いやーしかし私たちの世代ではお馴染みだった店員というものが高級店を除きほとんど消滅したというのも消えちゃったんですか〜』
産まれる前なんて俺には馴染みのない話だ。
『今やAIを積んだアンドロイドを使い料理から接客、戦争まで行っちゃうんですから便利な時代ですよね。しかし先程のニュースを聞くとなかなかに難しい時代ですねぇ。
さて、それに関連する話ですが次のニュースです。先程お話したベンチャー企業【Anonymous】が【DOHS】のアップデートを半年後に実施すると──』
どうでもいいが少し気になるような作り方しやがる...
が、タブレット端に映る時間を見るとあと5分で出発せねば間に合わない時間になっている。
たまにはテレビも見てみるもんだと思いながらリュックにタブレットと弁当を詰め込み、寝ている母親を起こさないように静かに家を出た。
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そろそろ9月も終わりが近づき、そろそろ暑さも薄れてきた。
だがまあ暑かろうが寒かろうがどちらにせよ学校に行かなければいけないのは事実であり、そんなわけで今日も死体みたいな感情のない顔で学校に向かう。
そうして着いたら誰からも視線すら向けられない中1番端の机に今日も座り、適当に眼球に映った掲示板やTwitterを眺め、時間を潰す。
あとは真面目に授業を受けて帰るだけ…
「こんにちは月乃くぅん?」
はずだった。
「……なんだ?」
それは昼飯の時間に起きた。
「おいおい1年ぶりの一言目がそれはねぇだろうが」
アホかよと思いつつ目の前のクラスメイトを見る。中肉中背。名前は中村とか言ったか。
そして部活は…
「同じ剣道部の仲だろぅ?」
そう。同じ剣道部、つまりめんどくさいやつだ。
「ああそうかい。じゃあな」
「おい!おい!待てよこの犯罪者!」
去ろうとする俺の肩に掴みかかり、強引に振り向かせてくる。
「いちいちうるせぇな。まだ言うかよ野次馬」
「そうキレるなよ。っと忘れるとこだった。なあ月乃。金貸せよ」
「………は?」
「いやクラスメイトには金を貸すもんだろ?ほらとりあえず3万だ」
バカの相手をするのは胃が痛い。
「断るよ。お前らに貸す金なんて存在しないからな。じゃあな」
「ふざけんなよクソガキが。お前がいなくなったせいで剣道部はめちゃくちゃなんだよ!どこにも勝てねぇしバカにされるし。その責任だ。3万いや5万よこせ」
胃がさらに痛む。こいつら俺が言われたら言い返せないと思った上で言ってくるからタチが悪い。だがまあ
「おいおい笑わせんなよ。お前らが勝てないのは元々だろ。俺や名古に頼って全国まで行って実力を勘違いでもしたか?」
タコみたいに耳まで真っ赤になった。
「で、でもお前が名古の才能を壊したのも事実だろ!どう責任取るんだよ」
「必死に論点をズラしてるが、それは名古本人が言うことであって、尚更お前に金を払う必要はないよ。じゃあな雑魚」
とりあえず教室を出て喚き散らしてる馬鹿を背後にぶらぶらとしばらく歩き、屋上に向かう。
今どき珍しく、うちの高校は屋上に上がれるのだ。
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誰一人いない屋上。
適当によっかかり空を眺める。呆れるほど高く感じる秋空と気持ちのいい風の音だけが響き心地いい。
「はぁ~………」
詰まったため息が漏れるように吐かれる。
居心地の悪牢屋のような教室から解放され安心したのだろうか。
苦笑いと共にあくびをしながらゆっくりと目をつぶりしばらくぼーっとする。
「──く〜ん。はるかく〜んあ!やっと起きた」
風見に話しかけられ目を覚ます。
どうやら気が付かない間に寝てしまったらしい。というか
「……なんで膝枕してんの?」
運動部だからなのかそれなりに引き締まった太ももは心地いい。
「うん?なんか痛そうだったから」
「痛そうだからか。とりあえずありがとね」
「はーい」
よっこらせと起き上がり、風見の隣に座る。
外は既に赤みがかってきてる。
「…もしかして結構寝てた?」
「そりゃもうぐっすり。あ、授業の方は体調悪いから先帰ったって伝えといたよ」
「ありがと」
しばらく何も話さなずただ空を眺めていた。
呆れるほど高く感じた空は赤く燃え盛り、焼け落ちたように端から黒くなっている。
「ねえはるかくん」
「お、おう」
何故だか不思議とドキドキしてしまう。別に風見のことなど、どうとも思っていないはずなのだが。うん。断じて思ってない。
「実はあにゃた…あう。じ、実はちょっと助けて欲しくて」
噛んだ。うん。噛んだ。だがまあここは聞かなかったフリをするのが紳士だろう。
「どうした?」
「いやさ、カーバンクの先のボスが強くて勝てないんだよね。弾薬費も嵩むし手伝ってほしくて」
「了解。今夜行く?」
「OKって思ったんだけど今夜高田馬場から招集かかってたからそれの後かな」
そんなものが。一応確認するとしっかりメールに来ていた。どうやら俺が見てないだけだったらしい。
「んじゃそれでいいか。さ、こっそり帰りますか!」
「おー」
この後先生にバレかけて冷や汗かいたのはまた別のお話。
実は2045年とかいうくっそ未来だったのです。はい。
ちなみに政府の何割化もAIが担当してたりします。人手不足ですかね。




