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少年は刀一本でPKになる  作者: 鳩乃蕃茄
PKのはじまりはじまり
40/79

34 かっこよく師匠のとこを出たはいいが…

さて、カッコよく師匠のとこから出たはいいが、まずやることがある。

聖杯騎士団からの勧誘をどうするかだ。

メリットデメリット色々あるがうーむ...一向に考えがまとまらないがとりあえず表にする。


メリット

・大手クランの後ろ盾ができる

・様々なバフが手に入る

・大手クランの情報網が(恐らくだが)使え、他プレイヤーよりも情報が手に入る

・他の大手クランとも接触ができる可能性もある

・今後来ると言われてるPVP大会にバックアップありで参加できる


デメリット

・クランを気にして大胆に動きづらくなる

・代わりに敵を倒す度に何%か金が持ってかれる

・PK側との関係が悪化、最悪闇討ちとか普通にされそう

・↑のため闇ギルドにも通いづらくなる

・人としてアルベールが気に食わない


さて、見てわかる通りメリットもデメリットも大きいがメリットの大半とデメリットを全て無くす方法がひとつだけある。


自分でクランを建てればいいのだ。

そうすればクランを気にせず好きにやれるし、バフだって自分で巻ける。さらにPK側との関係も悪くならず、PVPの大会にだって参加出来る。

名案だ。名案なのだが...

一つだけそれらを除いてなお聖杯に付くデカすぎるメリットがある。

情報網だ。団員の数が多ければ多いほど情報は回って耳に入る。そして更に他のクランと良好な関係があれば更に情報は入る。

正直これはかなり大きく、効率的な狩場や隠しアイテム、他のエクストラジョブの情報やクエストなどメリットは計り知れない。

まあ、それは別にクラン側だけの話じゃないが。

PK側にはPKの情報網はあるし、闇ギルドの情報もある。現に俺はやりとくないが...マフィア絡みのクエストを見つけてる。

さて、まとめたが何よりアルベールって野郎がやっぱ気に入らないな。うん、これ蹴ろうか。





───────────





『クランは素晴らしいがお前が気に入らないから入らないわ。じゃあな』


「さてこんなもんかね。あ、高田馬場にも報告せねば。ついでにどっちを選んのかも聞いときたい」


ホログラムのキーボードを打ち返事をメール...いやアプデで不評だったメール式から変わった個別チャットに打ち込み聞く。

すると1分程度で返事が返ってきた。どうやらあちらも蹴ったようだ。


「さて、とんじゃ刀の耐久値も減ってるから爺さんのとこ行くとしようかね。ついでに稽古つけてもらうか」


またメニューを開き、またまたアプデで良くなった不評で分かりにくかったジョブメニューから型の変更を押し水ノ型に変更し歩き始めた。


────





「って今首狩りと高田馬場から送り付けられた」


「だろうな。ああ、そうしてくれ。頼むよ」


「え?大人気ない?いやいやこれはゲームだ。年齢も序列も何も関係ない。たとえ天皇だってゲームの中ならただの1プレイヤーさ」


「んーまあいやぶっちゃけどっちでも良かったんだけど、この前にキルされたことに対する嫌がさせさ。んじゃ僕は資料作るから今夜ね」


電話を切る。クランに入るか入らないかで五分五分だったんだけど、ふたりともそっちに転んだか。さ、仕事しなきゃなぁ...

自宅のパソコンでここ1ヶ月のAIによる会社の取引結果をまとめ、さらに上に提出するレポートを書く。

うん。辛い



─────────




そんなわけで爺さんの鍛冶場。


「おっす爺さん」


「おう」


「刀のメンテ頼みます」


刀を爺さんに渡す。


「この傷つき方...風のとこの嬢ちゃんとやり合ったか。あとはいくつか細かい傷か。若造ちょいと多く金貰うがしっかり研いでやるよ」


「了解」


爺さんは刀を鞘から抜き、どこからかいくつかの砥石を持ってきて研ぎ始める。

まずは1番荒い砥石と水で。徐々に目が細かい砥石で研ぎ最後には刃紋がくっきりと見えるくらい綺麗になる。


「時間掛かっちまったが綺麗になっただろ?大事に使えよ」


「ありがとうございます」


「いいってことよ。んじゃ7000ゴールドな」


いつもの3倍ぐらい重いが仕方ない。

渋々金を払った。


「よし。んじゃついでに稽古してくか」


いつもの稽古場に向かい木刀を構える。







「フッ」


「おら」


「足が乱れてるぞ!振りも遅い!」


「痛ってぇ!」


「よし!今からする攻撃を全て受け流して反撃しろ。なーに木刀なら死にゃしない。そしたら帰れ」


「よし来た」


「オラァ!」


「甘い!ふん」


「危ねぇ」







「まあこんな所か。よし今日は終わりだ」


「ありがとよ」


「若造。お前風に力入れすぎて水ノ型が鈍ってるな。今回の敵では水を使え」


《クエスト》鈍った腕を鍛えなおせ!

しばらく使わないで鈍ってしまった水ノ型を鍛え直そう!

条件:大型ボス1体の討伐

報酬:火ノ型の紹介状


「...分かったよ」


これは受けざるをえないか。火ノ型も勉強した方がいいだろうしな。



━━━━━━━━━






そんな訳で1時間ぐらいの稽古は終わった。



さて、今から9時まで暇なのだが...





ピローン!



高田馬場からの連絡だ。何やら不味いことになってるらしく、闇ギルドの一室で話し合いするとのこと。時間は...今すぐかよ。さては誰か監視でもしてるのか。

まあ、向かいますか。

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