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少年は刀一本でPKになる  作者: 鳩乃蕃茄
PKのはじまりはじまり
38/79

32 感情の整理のために

そんなわけでログイン...


する前にGOFの海外板を自動翻訳掛けながら読み進めていく。


ふむふむどうやら3番目のボスは結構強かったらしい。ボスの名前は...


「なんだこりゃ」


ボスの情報に関することの詳細だけ黒塗りになってて見えない。うーんどうやら運営が介入して情報規制でもしたらしい。


仕方ないので諦めてログイン。


時間が時間なせいか、GOFの空も暗く、NPCもほとんど出歩いていなかった。



まあとりあえず師匠のところで修行でもするか。


......起きてるといいけど


というわけで移動。






━━━━━━━━━



扉は閉まっている...。が、とりあえずノック。


三分ほどしてゆっくりとした足音ともに



「お主今何時じゃと思っとるのじゃ...」


心底嫌そうな顔した寝巻きでうとうとしてる師匠が開けてくれた。ピンクの寝巻き姿が可愛い。


「師匠写真撮ってもいいですか?」


「その首はねてもいいなら構わないが?」


「...やめときます」


いつの間にか首に抜き身の刀を押し付けられてた。気づかなかった...


「んで結局なんの用なんじゃ」


「いや稽古つけてもらおうかと」


「こんな時間にか?眠いんじゃが...まあよい。とりあえず入れ」


許してくれたのでそそくさと館に入った。












「師匠足が痺れました」


「そうか」


なんの稽古をやるのかとワクワクしてた2時間前はどこへやら始まったのは瞑想だった。


「......はっ!危ない危ない」


師匠は寝巻きに帯刀してうとうとしてるし


「師匠...真面目な質問いいですか?」


「うむ」


「これなんの意味があるんですか?」


「座禅するとな、心が落ち着くじゃろ?お主さっきから少し荒ぶっておるじゃろ。少しは気を落ち着かせい。ネズミも近づかんわ」


「...荒ぶってました?」


「うむ。普段絶対にログインしない時間帯にわしのとこに来て稽古をつけて欲しいなど有り得んじゃろ。ふむ...お主怯えとるな。なんじゃ?怖い夢でも見たか?」


「......」


有り得ない。師匠はNPCでただのAIのはずだ。人間に近いと言っても所詮はAIだ。それなのに今の感情の本質まで見抜かれた。


「AIごときに見抜かれるわけない。こんなとこかの」


「!?」


「カカッ甘いわ。童の考えてることなど聞かなくても分かるわ!」


「...そうですね。俺は怯えてるんだと思います。だから...」


そう言いながらおもむろに刀を抜く。


「殺る気かの?」


ゆっくりと立ち上がった師匠の服装が一瞬で寝巻きからいつもの着物に変わる。


「いいえ。ただ感情の整理をしたいので付き合ってください」


「いいじゃろう。ついでに剣筋も見てやるわい」


師匠も刀を抜いた。




「「風よ」」


同時に体に風を纏駆け出した。









━━━━━━━


真正面からぶつかり合った刀は火花を散らし、また離れる。


僅かな静寂の中小窓から入り込む月明かりが刀身に反射し光る。

そしてそれを掻き消すように2本の刀はまたぶつかり、月明かりとは異なる光を散らす。


「ぐっ...」


師匠よりは身長も体格も上のはずなのだが力負けして押されてる。1度引いて仕切り直すか。


ゆっくりと刀を師匠に向けたまま下がり仕切り直し持ち込む。

が、そんな甘い考えを師匠は許さない。

逃げる俺を追撃する師匠の攻撃を受け流しつつ


「ッ【アサルトキック】!」


苦し紛れに蹴りを放つが素早く躱され、硬直してる間にすぐさま攻めてくる。


「馬鹿物当たらないアクションスキルなんて打つヤツがおるか!」


「当てればいいんです!」


アドバイスに叫びながら硬直からギリギリ復活した体で無理やり切り結ぶ。


正面から降ってきた刀を右に移動しつつ刀でづらし紙一重で避け、勢いを殺さないように切り返す、がそれを風が受け止め切り返させる。そして...


こうしてなんとか膠着状態を維持してる間にもコンボ数は着々と増え、30に近づき


そして...


「【彼岸花】」


「【彼岸花】!」


2人の刀が鮮血色に染まり切り結ぶ。


俺の袈裟斬りを師匠が切り上げで防ぎ


師匠の切り上げからの切り下ろしを斜めに受け流し


俺の返しの腕狙いの一撃は躱され


師匠の袈裟斬りを真正面から受ける。


「ぐっ」


さらに下ろした刀から真横に腹を切られ、返しの一撃で利き腕も切り落とされる。


「い゛っ゛た゛い゛」


痛覚をかなり上げてるためかなり激痛が走る。だが、だがそれでも歯を食いばり左手で落ちる刀を握り効果時間が切れかかった【彼岸花】で硬直している師匠目掛けて思いっきり叩き斬る。


一撃。初めて師匠にダメージを入れた。



「よくやったのう...じゃがすまん」


その言葉と同時に師匠は抑揚なく言葉を発する


「NPC:005 ヨノ HP規定値を突破。リミッター解除を要求」


『NPC:005 ヨノのリミッターが解除 自衛行為を行ってください』


「は?」


瞬間。師匠の姿は掻き消え、気がつけば俺は身体中から血を噴いて倒れていた。

HPはゆっくりと減り、やがて0になる。


その日初めて俺は死んだ。

はい。第32話にしてやっと主人公殺せました。しかし最初に殺したのがNPCっておま

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