22 宿題は計画的に
引越しやら古戦場やらがあって遅れました(言い訳)
恐らく数日は連続で投稿できそう
「ふぅ...死ぬわこんなん」
タブレットとペンを机に置き、椅子にもたれ掛かる。
やっと夏休みの宿題が終わった。外を見ると高かったはずの太陽はもう傾き始めている。ざっと8時間ぐらいやってたっぽいな。もうやだ今度からはちゃんと毎日コツコツ宿題しよう。
そんな毎年毎年同じように思って同じように失敗してることを思いながら同時に憂鬱な明日の始業式の用意をする。
まあ用意と言っても持っていくのは上履きとタブレットだけなので今のうちから用意する必要すらないのだが。
何気なく部屋を見渡すと無造作に置かれた竹刀が目に入った。
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「ふっ」
外に出て短く息を吐きながら竹刀を振る。かなり久々にやったので鈍ってるな。
「・・・・」
また、振る。早く振る必要はない。丁寧に丁寧に
「っ」
また振る。
「あ、月乃じゃん」
「ん?ああ裕也か」
「おう!しっかしお前が竹刀振ってるとか珍しいこともあるもんだな」
買い物袋に食料品を詰め込んだ自転車に跨るこいつは大浦 裕也。筋肉質な陸上部の主将。未だに俺を構ってくれる数少ない友人だ。
「たまには振らないとね」
「剣道部には戻らないのか?いや、先輩が卒業してからのがいいのか?しかしそれだとな……」
「戻らないよ。それに…アレを黙認してる以上後輩も同罪だしな」
「そっか。でもどう考えてもあの痴漢は冤罪だと思うんだがなぁ。ああやべもう行くわ!また明日な!」
「おう」
嵐のように来て、嵐のように去っていったな。
「遥ご飯よ」
そこに夕飯を作っている母親からの声が聞こえる。
「今行く」
誰にだって嫌な過去のひとつやふたつぐらいある。
それを友人に意図せず掘り起こされて、少しだけ嫌な気持ちになった。
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「...これで私の話を終わります。また半年間怪我や病気に気おつけて過ごしましょう」
どうやら寝てたらしい。まあ校長の話は長いから仕方ない。
校長の話が最後だったらしくぞろぞろと並んで教室に戻っていく。
2学期初日の今日に特にすることは無いようで、月曜日の授業に関する話ぐらいであっさりと終わった。
ガヤガヤと騒ぎながら集団で帰るクラスメイトを眺めながら1人で帰る。相変わらず近づいてくるやつはいない。
茹だるような暑さと延々と響く蝉の鳴き声の地獄を歩き、家に帰る。
風呂に入り、クーラー全開の部屋で昼ごはんを食べ、自室に戻りログイン。
「さて、稼ぐか」
そうして外が暗くなるまでボス戦の後の満身創痍のパーティを襲い、経験値を稼ぎ続けた。
自分「なんかいい感じに学校でハブかれる理由ってあるかな?出来ればイキリとかいじめ無しで」
友人「ほーん。じゃあ痴漢免罪でいいんじゃない?」
自分「アイデア浮かばないしそれでいっか!(脳死)」
こんな経緯で決まりました。なんかもうちょいいいアイデアないですかね...




