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少年は刀一本でPKになる  作者: 鳩乃蕃茄
PKのはじまりはじまり
19/79

17 初イベントと仲間と準備

翌日

ログインしてもすることもないので、適当にツイ○ターを見てると、TLにGOFのイベント情報が流れてきた。

どうやら初イベントはレイドバトルで貢献度制。

ボスはゴブリン系で大量の部下を引き連れてくるらしい。

そしてこれは街の防衛戦も兼ねてるらしく、最初の街は防衛失敗すると一部エリアをゴブリンに乗っ取られる……とのこと。

まあいきなりPVPはないよな。とりあえずログインしてレベリングするか。



─────




カーバンクにログインする。


ピローん


ん?なんかメールが来た。どうやらマーガリンからだ。

なんでもPKプレイヤーが集まって会議してるらしく、俺も呼ばれたとの事。

PKするつもりだったが行くとするか。




闇ギルドに着くと職員に個室に案内された。

入ると15人位のプレイヤーが集まってあーでもないこーでもないと雑談していた。

そこに入るわけだからそりゃ注目されるよな。


「おい。お前誰だ?」


いきなり喧嘩腰である。怖い


「俺?なんか呼ばれてきたんだが」


「あー、、、。あっツキハさんか」


「そうです」


すると奥にいるボロ布を纏った男が割り込んでくる。


「おう。テメーが首狩りか」


「ああそうだが。あんたは?」


「俺か?高田馬場って奴だ。よろしくな」


晒しスレで一緒に晒されてた人か。


「それで用事とは?」


それを聞いて高田馬場が苦々しく言う。


「今回のイベントについてだ」


「なるほど。しかしレッドプレイヤーにはキツイのでは?」


レッドプレイヤーのビルドは基本対人戦に特化だ。

そのため、高HP、高耐久に基本ソロで周りに合わせて(なわとび)となると、かなり厳しいのだ。


「そうだな。だが手はある」


「?」


「簡単だ。まずここでギルドのシステムの1つ。『レイドパーティ』を使う」


「なるほど」


レイドパーティとはギルドのシステムの1つ。

チームよりもでかく、しかしクラン程結束も強くない、上限45人のチームを組むためのものらしい。

ボーナスとしてFF(フレンドリーファイア)が無くなり、若干だがステータスも上がる。

レッドプレイヤー同士でFFが無くなるのは事故やその後の啀み合いも無くなるので非常に有難い。

まあその分結成はめんどくさいらしいのだが。


「そして次に...まあここからは検討段階だが他の敵やプレイヤーを無視してゴブリンキングだけを叩く」


「そりゃ大きく出たな」


あ、オッサンもいるじゃん。なんか所々新しい装備してる。


「そんなこと可能なのか?」


「そこを今から検討してくんだよ」


「まず懸念材料は?」


「ボスの出現位置、強さ、廃人共の邪魔、この中の誰もレイドをやったことが無いこと、倒した後の撤収、そして何より密告」


密告。この鯖にはかなりPKが多い。当然他に狙ってくる連中もいるだろう。そうなれば情報戦になる可能性も出てくる。


「まあまず1つずつ簡単なものから対処してくか」


「そうだな」


そこで一旦高田馬場は区切り……



「じゃあみんなステータスを公開しよう!」



「「「は?」」」


とんでもないことを言い出した。




━━━━━━





「なあなんでをやるんだ?俺よくわかないんだが」


世紀末な格好の銃持ちが聞いてくる。完成度が高すぎる。


「そうだ!対人戦において情報戦もまた重要なのはお前も知っているだろう」


それに対し高田馬場は丁寧にかえしていった。


「1つ。これでステータスにあった指示を的確に出すことが可能になる」


「2つ。もし密告者がでたらそいつの名前とステータスを晒せる」


「3つ。俺はこのレイドをイベント終了後も維持したいと考えている」


「なるほど、利点も大きそうだな……」


まあそんな感じか。無論今後のPKでステータスが筒抜けになる問題もあるが…。


「じゃあ公開していく。高田馬場 Lv25ステータスは…」


まず最初に言い出しっぺが公開するとは肝が据わってやがる。


「んじゃ次は俺か。ツキハ レベルは…」


ここは俺も乗ってやろうじゃないか。


こうして続々とステータスを公開していき、データはルーム用のメモに保存された。


「OKありがとう。ふむ…割と高レベル帯が多いならまあボス戦は連携さえ取れればどうにかなるか。

んで問題は首尾よく行った後の撤収か...。まあそのときそのときになりそうだな。それに1回だけじゃないし」


ざっくりしてるな〜。


「次は廃人共の邪魔か」


「それに関しては逆にこちらから仕掛けるか」


「いやそれでは本末転倒じゃないか」


「なにしてくるだろうか?」


「デバフ?」


「いやレッドプレイヤー相手では攻撃してもレッドにはならないからな。普通に殴ってくるだろう」


「ならゴブリン攻略組と廃人戦闘組で分けるか?」


「いいかもしれないな」


「毎回編成を変えればどちらもできるしな」


「16人いる訳だし8:8でいいか?」


「いや出来れば攻略メンバーをもっと増やしたいな」


「どちらにしてもメンバーが足りないだろ」


「闇ギルドのクエストボードにメンバー集めの貼り付けとくか」


「頼んだ」


「さて、最大の問題である誰もレイドをやったことがないことなんだが...」


「一旦このチームで戦闘しに行くか?」


「そうだな。ビックベアでいいか」


「この人数だと30秒とかからず終わりそうだがまあやってみるか」








という訳で来ましたビックベア。体重分からんがだいたい3トン。座高120センチ。全長5メートル。以上ポケ○ン図鑑みたいなやつから。


「これからどうするだ?」



「まあ全員で殴ればいいか!」


それでいいか。


ビックベアの墓石に触れ、出現した瞬間全員で殴り掛かる。

俺もそれに続き抜刀術やらで切りかかる。

あ、高田馬場が後ろからダガーで首掻っ切ってる。怖っ



それから20秒後。何人か死んだが倒すことは出来た。


「はい。反省会議するか!集まれ〜」


見た目ゴロツキ共が道端に丸く座り話し合いを始める。すごくシュールだ。


「さて、なにか意見はあるか?」


「1ついいか?」


「どうぞ?」


「今やった感じからいうとだな、早く倒すことは出来るが死人がでたり安定性がない。そこで、だ。タゲ取りや回復など役割を決めてはどうだろうか」


「...天才か?」


「天才だろ...」


「頭いいな」


「じゃあ全員のステータスを纏めて決めるか」


それから全員のステータスを見ながら話し合っていく。


「スピード紙防御が多いな。まあ当たり前か。タゲをとるスキルを持ってるやつが少ないな。んーなら逆に俺らがヘイトを下げればいいんじゃないか?」


「逆転の発想か」


「それで盾持ちは派手な技でタゲをとりつつAGIの高い何人かも避けタンクでどうだ?」


「弓とか後衛職は?」


「弓や銃はヘイトを奪い過ぎない程度に攻撃をたのむ。魔法職も同様に」


「ちなみに回復は...?」


「みんな!当たらなければ死なない!」


「うん。知ってた」


そんな感じでもう一度ビックベアの墓石に触れる。余談だがあの後アプデで復活から3秒は無敵になり、罠とかは掻き消されるようになってしまった。ほんとに残念である。


閑話休題。


目覚めたビックベアは当然襲いかかってくる。前回は編成もなく、ぐちゃぐちゃになってしまったが今回はタンク以外気配遮断や隠密で姿を隠し、タンクがアクションスキルで攻撃し、ヘイトを稼ぐ。そして完全にタンクにだけ攻撃が向くようになったところでタゲが移らないように数人が攻撃、そしてまたスキルで隠れ、タンクにタゲを戻す。それを繰り返し2分位でビックベアは倒れ、粒子になって消えた。


「やってみた感想は?」


「もっと早く出来ないか?」


「ここまで慎重にならなくても良さそうだな」


「次はもっと攻撃的に行こうか」


「おう!」



それからは細かくフォーメーションを変更し、試行錯誤をしていた。







「なあ高田」


「なんだ?」


「次は俺もタンクに入る」


「どうしてだ?」


「いや、今レベル上がってエクストラシステムってやつを手に入れたんだよ」


「ほう?どんなやつだ?」


俺は自分のメニューに映ったエクストラシステムを高田馬場に見せた。



[武士道【刀】エクストラシステム【型】]


様々な【型】を使い、自分のステータスやスタイルを変更する


【 花ノ型 】花の様に舞い、敵の攻撃を躱し、幾つもの剣戟で相手を仕留める。速く軽い剣筋になる。

納刀も早く、リキャストタイムも短くなる。しかしアクションスキルや、通常攻撃での威力が下がり、数で攻める形になる


【 水ノ型 】水とは全てを反射するものなり。

防御重視になり、カウンターや、受け流しを重視し、刀自体の耐久も上がる



【 火ノ型 】炎とは一撃一撃が重く、 数ではなく、1つのもので仕留めるもの。

抜刀術特化となり、抜刀術使用時に様々なバフが付くようになる。





「なるほど。これの【水ノ型】を使って壁役をやるのか」


「そういう事だ」


それを言うと高田馬場はニヤリと笑った


「面白ぇ!俺のアレとお前のコレ。合わせりゃ多分今回勝てるぜ」


「そういえばゴブリンはどっちの方向から来るんだ?」


「ああそれがどうやら街の住人が噂してたんだが...」


曰く、何度でも復活するゴブリンの王とその部下が西からこの街に攻めてくるらしい。


曰く、それなりの数の部下を引き連れたゴブリンの王が西から攻めてくるらしい。


曰く、部下の数は少ないが、物凄い精鋭を引き連れてゴブリンの王が西から攻めてくるらしい。


曰く、大量の部下を引き連れてゴブリンの王が西から攻めてくるらしい。


「内容がまちまちなんだがどれも西から攻めてくることは同じで多分西から来るって想定してる」


「すごいな!でも俺らはあんまり住人の好感度高くなかったと思うんだがどうやったんだ?」


「...」


「おいなんで黙る」


「...知り合いに、な、ちっちゃい女の子が好きなやつがいるんだよ。そいつがな、その女の子から...」


「なんかごめん」





そして数日後。決戦の日はやってきた。

【型】システムみたいなものがほぼ全部の武器種にあります。あと、【型】はこれのより尖ったやつとかみんな大好き刀と言ったらアレの型とか考えてますが...

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