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少年は刀一本でPKになる  作者: 鳩乃蕃茄
PKのはじまりはじまり
17/79

16 剣戟と

その日の夜。やっぱ新しい街が気になりログイン。






ログアウトした宿屋で目を覚ますとなんかメニューが光っていた。開いて見ると、どうやら新しい街に着いたときの説明らしい。


『新しい街に着いたときにはまず広場に行って転移門を解放しましょう!』


そのコメントと一緒に矢印が出てきた。

それに従って宿を出て広場を探す。

昨日は疲れててよく見なかったが街並みは周りが城壁に囲まれており、最初の街に比べて高さの低い西洋風の建物が並んでいる。

そんな街並みを抜けると最初の街に似た広場に出た。


真ん中を見ると不思議な...なんかふよふよとした門が建っている。

あれが転移門か。

どうしたら解放されるか分からないがとりあえず触ってみる。すると


『カーバンクの転移門が解放されました。これにより転移門を解放した全てのギルド、東西南北全ての出入口へワープすることが出来ます』


というメッセージが目の前に出た。どうやらこれで解放されたらしい。


が、当然のように闇ギルドはワープ先になかったので泣く泣く探す。





..….あっさり見つかった。

なんとギルドの横の建物が闇ギルドの建物だったのだ。

普通に暗殺者みたいな奴が闇ギルドに入っていてびびった。

位置が分かったので用事もないし、何となく城壁の外に向かうか。




来てみてわかったがプレイヤーの数が少ない。まあまだあまりエリアボスを突破できてないらしいしこんな感じか。


ん?なんかあっちから近寄ってこられた。


「おいお前。PKだろ」


「そうだけど?」


なんかバレたがまあいいか。


「俺は別にPKを悪だとは思ってないだが……。お前みたいな強いやつとは戦ってみたいんだよ!俺と決闘しろ!」


困惑する俺。決闘を申し込んできた人のパーティメンバーも困惑する。


「...つまりホモでは?」


あまりの事態に脳がバグった。


「なんだてめぇ」


ノリがいいのか反応してくれた。


「冗談はさておき、いいだろう。その勝負受ける」


「そりゃ嬉しい」


「ルールは?」


「そうだな...俺とお前以外攻撃禁止。それだけだ」


「了解だ。こちらとしては勝ったあとは街に帰るまでそこの人達に攻撃しないでほしいんだが...」


「万が一にもありえないがいいだろう。そういえば名前を聞いてなかったな。おれはダンテ」


「俺はツキハ」


互いに名前を教え合いゆっくりと離れる


「それじゃあ...」


お互い10mくらい動き止まる。


「「勝負!!」」


ダンテの武器は片手直剣と丸盾。恐らく抜刀術は直線のため受けられるだろう。考えつつ試しに【一閃弐方】。

抜刀。一撃。これを盾で受け流される。二撃。不安定な姿勢からうったせいか、簡単に剣で防がれ硬直を容赦なく斬られる。


「おいおいどうしたぁ?弱いなぁ」


挑発するように言いながら恐らく追撃の直剣のアクションスキルであろう、横薙ぎの一撃をうってくる。

発動が分かっているなら硬直さえ切れれば回避は容易い。

バックステップで余分に下がりながら打開策を探る。恐らく抜刀術は普通にうっても効かないだろう。

それならこれを使う。


刀を納刀せず正眼に力を抜いてと構え、誘うように笑って中指を立てる。


「来ないならこっちから行くぞ、おら」


乗った!

ダンテは盾を前に、剣を後ろに隠して突っ込み、ぶつかる直前で鮮やかなグリーンに輝く剣を下から振り上げた。

だがそれは間に合う!

ヌルりと鈍色に輝きスキルが発動した刀で上から押さえ込み、手首を返して下から切り上げる。


「ッ」


受け流しスキル【流刀】。


しかし直前で仰け反ったのか浅いがこのスキルの真価これじゃない。

()()()の開始としても利用できるところだ。

コンボは要は体勢を使ったしりとりだ。

袈裟の体勢から返しの一撃で刀が桜色に輝く。


瞬間。斜めに振り上げられた刀は盾を躱すように下に振り下ろし、盾を持つ右手を切り上げで落とし、そして腹を横に切り裂く高速の3連撃。アクションスキル【桜花】。


「く、そ、がああ!【スクエアスラッシュ】!!」


ダンテのHPはゆっくりと減っていく。左手は内側が裂け、腹は斜めと真横にえぐれているが、ダンテにも意地があるのだろう。剣が青色の光を纏だす。

俺は反動で動けない。


しかし振り下ろされる直前ダンテはポリゴンとして砕け散った。どうやら生き残ったらしい。


「おいおい負けたぞ...」


「あいつが負けるのかよ...」


「じゃあ俺は約束通り帰らせてもらう」


「おい待てよ」


中の1人がこっちに来る。


「なんだ?」


「次は俺達が相手だ」


「は?約束は破るのか?」


「約束?それはお前らが勝手に決めたことだろ?俺らは了承してないが?」


確かにそうだったが...。うわぁ


「...」


「おいおい黙りかよ。まさか約束守るとでも思ったのか笑」


「いや可哀想だなってと思って」


「は?」


「いやだって俺らは了承してない(キリッ)とか堂々と言っちゃうの色々拗らせてない?大丈夫?」


「なんだとこいつ…」


「その通りだ」


うわなんか巨大なゴリラが近づいてきた。


「すまなかったな。俺のところのクランメンバーが問題を犯して。おらお前らダンテのした約束くらい守れ!こんなんだから治安最底辺とか言われるんだよ全く…」


どうやらこいつのクランメンバーだったらしい。


「いやしかしクラマス!こいつにキルされた連中が沢山いるんすよ!復讐したいじゃないですか!」


そしてこいつはクランマスターと。


「そんなん初日とかだろう?水に流せよ。それに復讐するのなら手負いの相手じゃなくて万全の相手を倒してみろ」


「うっ...」


「じゃ、また今度な。いくらでも今度ならいくらでも相手してやるよ」


せめてとばかりに鯉口を切り宣戦布告する。


「ああ...。わかったよ!!覚悟しとけよ!絶対殺してやる。また会おう!」


なんかいい笑顔で復讐宣言された。


「おう」


そのあとは本当に何も無く街に帰ることが出来た。

うん。疲れた。ネトゲ怖い。その日は結局狩りは続けず宿屋に泊まってログアウトした。


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