9 オッサンがようやく死んだので街に戻った
日常回になります。
オッサンがようやく死んだので急いで街に戻る。
確かそこはリスポ地点になってたはず。
そして待つこと数分。
広場の真ん中がひかり貧相な直剣とピッチピチの初期装備を着たオッサンが復活した。
「おう」
「なんだツキハ、復活したばかりの俺を嘲笑しに来たか?」
「いやオッサン。長剣だけ返そうと思って」
「おう、ありがとうな。あと俺はオッサンじゃなくてゴローな」
「じゃあオッサンまた今度な」
「だからオッサンじゃなくて...」
ちょっと悲しそうな顔をするオッサン改めゴローに手を振りつつそこらの路地裏に入って例の鍛冶屋に向かった。
「おっす」
「来たか」
鍛冶場で煙管吹かしてた爺さんに刀を渡す。
「刀のメンテナンスを頼む」
「...ふむ。かなりの強敵だったな。刃がボロボロだ。どんな無理した戦闘したんだ?」
「ん?ああ鞘で殴ったり強引に刀で長剣振り払ったりした」
露骨に嫌な顔された。
「これはちと時間がかかるな。そこで待っとけ。寝ててもいいぞ?」
時間がかかるからログアウトしててもいいらしい。
「いや見てていいか?」
「いいさ」
爺さんが鞘から静かに刀を抜く。
そして木槌を使って柄を叩き、刀の茎を出した。
今度は茎を握り、柄を外す。次に刀身を右手で持ち、下に幾つかの道具と共に置いてあった白い上質な和紙で刀身を拭いた。なんでも古い油が残らないようにするためらしい。そして爺さんは打紛と呼ばれるよく分からないが研磨剤か何かだろうそれを3センチ位の間隔で刀身の裏表、さらに棟にも静かに打ち、和紙で拭く。これを何回か繰り返す。するとさっきまでは曇っていた刀身が綺麗になり、のぞき込む俺の顔まで映りこんだ。そして綿に油を染み込ませ棟の方から刀を拭いていく。最後に余分な油を和紙で拭いて、鍔と柄をつけ直し、音を立てずに鞘に収めた。
「終わったぞ」
爺さんが刀を渡してくる。
「凄いな。なんか」
「ふん。今度からはもうちょっと優しく使え。今のままだと壊れかねん」
「分かったよ。そういえば和服ってないのか?」
「和服か...。ちと待ってろ」
少し考えた後爺さんがどこかへ行ってしまった。
───5分後
「あったぞ。昔使ってたやつだ。ふむ...3万だ」
「なんであるんだよ...」
「昔仲間が使ってたやつじゃ。ほれ3万よこせ」
「嫌だ。2万3000」
「2万7000」
「2万5000」
淡々と値切りが行われる。なかなかシュールだ。
「...分かった。2万5000でいいだろう」
勝手に2万5000ゴールドが抜き取られた。
「ほれ持ってけ」
防具:黒ノ和服 AGI+50 STR+30
遠い極東の服。ゆったりとしていて動きやすい。
なかなかに強い。それにデザインがまんま和服でカッコイイ!!
「ありがとな爺さん。また来るぜ」
すぐにでも狩りに行きたかったが時間も時間だし疲れたので着替えて腰に刀を差し、その日はそのままログアウトした。
なんでこんな細かく書いちゃったんだろ...
まあこんなに細かくお手入れ出来るのはNPCだけですけど。




